Google Pixel Watch 3 (45mm) を実機レビュー。普段使いはこれで十分

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今回の記事では、Google が2024年新モデルとして8月に発表した新しい「Google Pixel Watch 3 (45mm)」の実機レビューをお届けします。

Google Pixel Watch 3 は、例年も早い2024年8月に Google Pixel 9 シリーズなどと一緒に発表され、3代目にして初めて 41mm と 45mm の2サイズ展開になりました。41mm は過去2モデルと同じサイズですが、45mm モデルはより大きな選択肢として新たに追加され、今回レビューしているモデルはこちらの大きい45mmモデルとなります。

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目次

仕様

まずは Google Pixel Watch 3 (45mm) の仕様です。

サイズ直径45mm
高さ12.3mm
重さ37g (バンドなし)
ディスプレイAMOLED LTPO
最小 1nits / 最大2,000nits
1~60Hz リフレッシュレート
320ppi / DCI-P3
ネットワーク[OP] 4G-LTE
Wi-Fi 6
Bluetooth 5.3
NFC
Felica
UWB
GPSGPS
Galileo
Glonass
Beidou
QZSS
バッテリー420mAh
常に表示状態のディスプレイで最長24時間
バッテリーセーバーで最長36時間
充電速度28分で50%
50分で80%
80分で100%
チップセットSnapdragon W5 Gen 1
Cortex M33 コプロセッサ
RAM2GB
内部ストレージ32GB eMMC
センサーコンパス、高度計
赤色光および赤外線センサー
多目的電気センサー
マルチパス光学式心拍数センサー
3 軸加速度計
ジャイロスコープ
周囲光センサー
皮膚コンダクタンス(cEDA)測定用電気センサー
皮膚温センサー
気圧計
耐久性Gorilla Glass 5
5 ATM
IP68 防塵・防水

Pixel Watch 3 の41mmモデルとの違いは本体とディスプレイのサイズのほかにバッテリー容量に違いがあり、より多くの容量を搭載しているため、バッテリー駆動時間は同条件の場合、41mmモデルよりも45mmのほうが長くなるというメリットがあります。

前世代からのアップグレードという点では、ベゼルが小さくなったことで Pixel Watch 2 と同じサイズの 41mm モデルは10%以上画面の表示領域が増え、新しく追加された 45mm モデルは Pixel Watch 2 よりも40%以上画面表示領域が増え、どちらも画面の明るさが最大2,000nitsと明るくなりました。また、1Hz〜60Hzのリフレッシュレートになり、より滑らかな見え方になりました。

一方、搭載されているチップセットなどは前世代から変わっていないため、性能・パフォーマンスという点では大きな違いはありません。しかし、デザインや Wear OS 5 による機能の改善などの影響が大きく、前世代よりもさらに快適になっています。

デザイン

今回のレビューは前世代までとは違って大きくなった 45mm サイズのモデルを使用しています。Pixel Watch 3 はベゼルが前世代から小さくなっていることもあり、45mm サイズはとくに Pixel Watch 2 よりも大きくなっているように見えます。

41mmに比べて45mmは画面サイズが大きくなったことで、アプリの通知やテキストも見やすくなり、タップによる操作性も向上しています。アナログ(アーク)ウォッチフェイスなど細かい表示がある文字盤も見やすくなりました。また、Watch 3 シリーズは画面の明るさも増えたことで直射日光下でも見やすく、屋内でも屋外でも扱いやすくなっています。

本体の側面は前世代までと変わらず、ボタンとクラウンが右側面に配置されています。どちらも長押しによる操作に対応していて、クラウンは回転させることで画面スクロール操作もできます。

ちなみにクラウンを押したときに起動するアプリランチャーは、Android 15 からリストビューだけでなくアプリビューで表示できるようになったため、多数のアプリをインストールしている場合の一覧性と選択のしやすさが向上しています。

従来のリストビューも選ぶことができるので、好みに応じて変更できます。

バンドは前世代までと同じくアクティブ バンドが同梱されています。独自機構で着脱や交換は簡単にできますが、45mmモデルは41mmサイズや前世代までのバンド幅より大きくなっているため、流用できないことに注意してください。

長さを調節するための少し長めのバンドも1本同梱されています。

充電器に関しては Pixel Watch 2 と同じピン&マグネット方式の充電を採用しており、Pixel Watch 2 の充電器をそのまま流用することができました。41mmと45mmの違いですが、充電ベースは共通のようです。

使用感

実際の3週間近く使っていますが、普段使いのスマートウォッチとしてバランスが取れており、今のところ大きな不満はありません。画面も大きくなったことで通知は見やすく、バッテリー駆動時間も大幅に延びています。

私の使い方であれば常に表示状態のディスプレイでも1日から1日半は充電しなくても使うことができました。前世代は24時間で20%以下になることがほとんどでしたが、Pixel Watch 3 45mm は40%程度残ることもあります。不安定なときもありますが、ほぼ確実に24時間持つようになったことは大きな進歩です。

さらにバッテリーセーバー機能も改善されており、バッテリーが15%以下になると自動的にオンになり、Pixel Watch 3 の充電が25%を上回ると自動的にオフになるようになりました。これが地味に便利です。

健康測定機能なども基本的なものはカバーしており、日常生活における健康管理や運動のモニタリングもウォーキングやジョギング、室内トレーニングなどライトな運動であればこちらも不満はありません。GPSの精度も田舎で開けた場所で動いている限りでは、正確に測定できています。結果は Fitbit アプリから見ることができ、最近行われているアップデートでかなり見やすくなりました(ただし、未だにダークモードはない)。

また、毎朝起きたときに睡眠スコアや体調を数字で表すエナジースコア、天気などの情報もまとめて見ることのできる「朝のブリーフィング」機能も地味に便利です。ただ、夜間に通知が大量に来ている場合は埋もれてしまう可能性があります。

さらに Pixel Watch 3 では睡眠測定が夜間だけでなく日中の昼寝も測定できるようになり、それに合わせておやすみ時間モードを自動的にオン・オフをするようになりました。この情報は Fitbit アプリからも確認でき、昼寝をした日の睡眠情報ページの「その他の睡眠ログ」に表示されます。

この他にも、私は利用していないもののランニングの新機能なども追加されています。この機能を使うことでランニングのパフォーマンス改善やガイド機能を利用できます。とは言え、ライトユーザーなら問題はないと思いますが、プロ向けのデバイスではないので本格的な機能が必要であれば最初からランナー向けの Amazfit や GARMIN などを検討するほうが良いでしょう。

全体的に日常生活における健康管理と軽めの運動が中心のユーザーであれば十分過ぎる機能を備えています。

便利さという点では、前世代までと同じくおサイフケータイ(Felica)や NFC をサポートしているため Suica や電子マネー、タッチ決済などを使えることや Android アプリとの連携によりスマートウォッチから電話やメッセージへの返信、Google マップのナビゲート表示、YouTube Music や Spotify の操作ができることなどが挙げられます。

また、おやすみ時間モードの同期だけでなく、スマートウォッチとスマートフォンの間でサイレントモードも同期できるため切り替える手間がないこと、それぞれの使用時にもう一方の通知をオフにしたりオンにしたりと設定できる点もメリットです。このあたりは前世代でも使えるため、引き続き便利な機能です。

ちなみに他のスマートウォッチをいくつか試していたときに気づきましたが、Pixel Watch だと個人用アカウントと仕事用プロファイルを1つのスマートフォンで設定している場合、両方の通知を受け取ることができるだけでなく、別々に通知の設定を行うことができます。

他のスマートウォッチでは仕事用プロファイルの通知権限がないことで個人のアカウントの通知しか受けられないことがありますが、Pixel Watch であれば仕事用プロファイルも問題ありませんでした。

性能・機能ともに満足できる1台ですが、良くも悪くも初代 Pixel Watch からデザインそのものに大きな変化はないため、見た目という点では少し飽きが来るかもしれません。今回は45mmモデルを選んだこともあって印象は違いましたが、Pixel Watch 2 を使っているユーザーがわざわざ新しく買い直すべきかと言われると正直悩ましいところはあります。初代からであればバッテリー駆動時間の長さなどは魅力になる(初代は劣化もしていると思われる)はずなので、乗り換えはどちらのサイズもオススメできます。

また、用途次第では他のスマートウォッチがベストになりますし、価格を抑えたいまたは機能はもっとシンプルで良いという場合には、Fitbit Charge 6 などが選択肢になります。

まとめ

今回は Google Pixel Watch 3 の 45mm モデルをレビューしてきましたが、前世代からディスプレイのアップグレード、バッテリー駆動時間の大幅な延長、機能も少しずつ拡充し、全体的な使いやすさは向上しています。そのため、Pixel スマートフォンと組み合わせて健康管理やアクティビティモニタリングなどの普段使いでは十分な完成度です。

やはり Pixel ユーザーにはイチオシですが、個人用アカウントと仕事用アカウント(仕事用プロファイル)を設定しているユーザー(例えば個人事業主やBYODで)にもおすすめです。もちろん、Pixel 以外の Android スマートフォンユーザーでも良い選択肢になりますので、Pixel Watch 3 はぜひ検討してみてください。

極端ですが、Pixel スマホでスマートウォッチに悩んだら、とりあえず Pixel Watch 3 で間違いないと思います。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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