今回の記事では、DOOGEE がリリースした 14 インチの大型ディスプレイを搭載した Android タブレット「DOOGEE Tab E3 Max」の実機レビューをお届けします。
なお、本レビューにあたり実機の提供を受けていますが、内容についてメーカーからの関与はなく、実際に使用したうえでの率直な感想をまとめています。
この「DOOGEE Tab E3 Max」は、手頃な価格のエントリークラスの性能ですが、大きな画面を活かしてブラウジングや動画視聴、クラウドゲームなどにちょうど良く、持ち運びよりもリビングや自室で据え置きとしての使い方に向いています。
スペック
OS | Android 15 |
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ディスプレイ | 14 インチ IPS 2,160 × 1,440 60Hz リフレッシュレート |
CPU | MediaTek Helio G100 |
RAM | 8GB (+ 24GB 仮想 RAM) |
内部ストレージ | 256GB |
外部ストレージ | microSD (最大 2TB) |
リアカメラ | 16MP メイン 2MP マクロ |
フロントカメラ | 8MP |
ポート | USB-C 3.5mm オーディオジャック |
バッテリー | 13,500mAh 18W 有線充電 |
ネットワーク | 4G-LTE Wi-Fi 5 Bluetooth 5.2 |
その他 | 顔認証ロック解除 |
サイズ | 318.7 × 221.8 × 8.9mm |
重さ | 991g |
外観とデザイン
箱から出して最初に感じたのは、やはり「大きい」です。14 インチというサイズは、一般的な 10〜11 インチのタブレットと比べても圧倒的な存在感があります。

本体は金属製で、しっかりとしていて剛性感は高いです。安価なタブレットにありがちな、きしみやたわみはなく、安心して使うことができます。もちろん、サイズが大きい分、重量もそれなりにありますが、同じ画面サイズの一般的なノート PC に比べれば軽量です。

本体を横持ちしたときには、画面上にフロントカメラ、右側面上部に 3.5mm オーディオジャック、右側面中央に USB-C ポート、上側面右側には音量ボタンと電源ボタンがあります。なお、フロントカメラは顔認証ロック解除機能を備えています。


ベゼルの厚みはそれなりにありますが、このサイズを手で持つときには厚みがあるほうが誤タッチも少ないため、そこまで気にはなりません。
ディスプレイは 60Hz リフレッシュレートを備えた 14 インチで、アスペクト比 3:2 となる 2,160×1,440 解像度となっています。低価格モデルにありがちな画面の白っぽさなどもなく、比較的綺麗な画面だと思います。グレアなので映り込みはありますが、この手のタブレットとしては一般的なので気になる人はフィルムを貼るといいかもしれません。
パフォーマンスと操作性
OS は素の Android に近いシンプルな UI で、不要なプリインストールアプリも少なく、Android ユーザーであれば特段困ることはないと思います。
「DOOGEE Tab E3 Max」の性能面は、よくあるエントリークラスの Android タブレットですが、新しい MediaTek Helio G100 を搭載しており、8GB RAM と最大 24GB の仮想 RAM 機能による合計 32GB RAM を搭載するため、エントリーのなかでも動作に少し余裕があります。以下は実機で測定した各種ベンチマークの結果です。
ベンチマーク | スコア |
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Geekbench Single | 682 |
Geekbench Multi | 1,783 |
Geekbench OpenCL | 1,271 |
Geekbench Vulkan | 1,230 |
PCMARK | 9,600 |
Octane 2.0 Plus Single | 25,210 |
Octane 2.0 Plus Multi | 187,231 |
これらの数値は、例えば以前レビューした「DOOGEE A9 Pro+」に搭載されている Unisoc T606 (T7200) や Unisoc T616 に比べて Geekbench のスコアなどを上回っています。
そのため、Web サイトの閲覧や動画視聴といった日常的な操作では、特に問題ありません。ただ、少し気になったのは画面をスクロールする際の挙動です。
スペック上、リフレッシュレートが 60Hz ということもあり、指の動きに画面の描画がついてくるのが、ハイエンドモデルに比べてワンテンポ遅れるような感覚がありました。
また、複数のアプリを切り替えたり、設定画面を開いたりする際に、動作が少しだけ「待たされる」と感じる場面もありました。ベンチマークスコアもエントリークラスとしては少し高めですが、負荷の高い 3D ゲームをプレイするには少し力不足です。

大画面を活かし、分割画面により 2 つのアプリを並行して表示するような使い方にも向いていますが、多くのアプリを同時に利用するようなマルチタスクには向いていないことに注意してください。
なお、デフォルトのランチャーだと画面分割がしづらい(アプリのオーバービュー画面からアプリアイコンを長押しして「分割画面」を使うか、対応するアプリの自動分割表示くらい)ことがネックです。

とはいえ、ブラウザ、通販アプリ、動画視聴、電子書籍閲覧、ニュースアプリ、SNS といったライトな使い方であれば全く問題はありません。
「DOOGEE Tab E3 Max」は大画面のディスプレイを活かして、例えばデスクや寝室での動画視聴や大判電子書籍の閲覧などに向いています。
また、YouTube Premium やその他のサービスでピクチャーインピクチャー機能を使えば、動画をミニプレーヤーで再生しながら Web サイトを閲覧するといった使い方が快適にできます。

なお、スピーカーはクアッドスピーカーを搭載しており、音に関してはまずまずで大きさも十分です。音楽を流したり、動画視聴やゲームプレイ時の音声を聞く程度であれば問題はないと思います。
さらに、本体のスペックでは難しい高負荷なゲームや Android に対応していないゲームでも、GeForce Now や Xbox Cloud Gaming のようなクラウドゲームサービスを利用することで、「DOOGEE Tab E3 Max」の大画面を活かしてゲームをプレイすることができます。


実際にいくつかのゲームを GeForce Now でプレイしてみましたが、安定した Wi-Fi 環境さえあれば、遅延なども気にならずにゲームで遊ぶことができます。
これにより、高価なゲーミング PC やモニターがなくても手軽にゲームで遊べるほか、わざわざ PC や Chromebook を立ち上げる必要もなく場所も取らないというメリットがあります。ただし、快適なゲームプレイにはゲームパッド(筆者は Xbox Gaming Contoroller を使用)は必須です。
ただし、アスペクト比が 3:2 ということもあり、YouTube などの動画視聴中やゲームプレイ中に画面の上下に黒枠が表示されてしまう点は、人によっては気になるかもしれません。
このほか、4G-LTE モバイルネットワークに対応しているため、いざ持ち運ぶときにも Wi-Fi 環境を気にしなくても良いというメリットがあります。
また、大容量バッテリーを搭載しており、実際に 3〜4 時間連続で動画視聴をしてみましたが、バッテリーにはまだ余裕があり、長時間の利用も十分に対応できます。
まとめ
DOOGEE Tab E3 Max は、どちらかと言えば自宅のリビングなど、特定の場所に据え置きで使うことを前提とした、エンターテイメント用途に特化したタブレットです。
携帯性や最高のパフォーマンスを求めるデバイスではありませんが、テレビや PC よりも手軽に大画面で動画コンテンツをみたい人、クラウドゲーミングなども含めてゲームをプレイしたい人、ウェブサイトや電子書籍をできるだけ大きな画面でみたい人などには選択肢としてありです。
記事執筆時点では、Amazon で 42,900 円の価格で販売されており、少し高めの価格設定という印象を受けますが、おそらくセール等で値下げされることになるため、値下げされたタイミングで購入するとちょうど良い価格感になると思います。