今回の記事では、ZeppがAmazfit ブランドからリリースしているランナー向けのスマートウォッチ「Amazfit Cheetah」の実機レビューをお届けします。
「Amazfit Cheetah」はGPS性能やランニング中の操作性などの改善だけでなく、トレーニングをサポートするAI機能などが搭載されたZeppのスマートウォッチの新モデルです。とくにランニングのトレーニングプランを提案してくれる「Zepp コーチ」は、ユーザーのパフォーマンスに基づいてトレーニングスケジュールを調整したり、レースに合わせてランニングプランを調整するといった機能などを使うことができます。また、Amazfitならではのバッテリー駆動時間の長さも保っており、一般的な使用で最長14日、高精度GPSを使用しても最大26時間と長時間利用することが可能です。
ちなみに「Amazfit Cheetah」は発売当初49,900円という価格設定でしたが、現在は値下げ改定されて39,900円で購入することができます。
なお、今回のレビューにあたり実機の提供を受けていますが、内容についてメーカー等からの関与は一切ありません。
筆者のスマートウォッチ利用はスポーツというより日々の健康管理という側面が強く、普段の運動もランニングではなくウォーキング主体ですが、これを機に少し走ってみることにしました。
実機レビュー
「Amazfit Cheetah」は1.39インチのAMOLEDディスプレイを搭載し、最大1000nitsの明るさで屋外でも見やすく、大きめのスクリーンで操作性も良いです。
ウォッチフェイスはアプリから変更することができ、Cheetah専用の文字盤やお馴染みのデザインのものまで多数用意されており、一部の文字盤ではホーム画面に表示する情報のカスタマイズも可能となっています。
本体側面には2つのボタンが備えられ、上にはクラウンタイプ、下にはボタンタイプが配置されています。
クラウンは回すことでスクロール操作に対応しており、どちらも長押しでカスタマイズアクションを割り当てることができます。エクササイズ中で汗をかいたりしてタッチ操作がうまくいかない場合には、ボタンで操作することができるので便利です。
ただ、上が決定、下が戻るという割当になっているので、ボタンが1つしかないタイプのスマートウォッチを使っていた人だと、ホームに戻りAmazfit Cheetahのに選択されるまたは一つ前にしか戻らないので、操作には少し慣れが必要でした。
ちなみに筆者はウォッチフェイスをデフォルトのものから変えており、上のボタン長押しで[運動]モードへのショートカットを割り当てています(下の長押しは、ホーム画面に戻る)。
本体のサイズは大きめに見えますが、付属のバンドと本体の重さを含めて約47gと軽量です。バンドも通気性のあるリキッドシリコンストラップを採用しており、ベタつきやムレも感じにくくなっているため汗をかいても装着感は快適です。
デザインはスポーティーという印象そのものなので、ビジネスやフォーマルな場でも着けていくには向いていません。機能的には常に装着したいところですが、そういう場が多いユーザーはランニングのときだけ着けるのが良さそうです。
留め具の部分などに金属は使われていないので、汗をかいたときに痒くなってしまうようなこともありませんでした。本体は5ATMの耐水性を備えており、水泳(プール)でも使用することができます。
また、底面のセンサ部分も盛り上がりも比較的穏やかで、長時間装着していても負担に感じたり、強く留めなければ痕が残ってしまうようなこともありませんでした。
背面のセンサを利用した各種健康測定機能に関しては、「Amazfit Cheetah」シリーズも他のAmazfitデバイスと同様にZeppアプリを利用して設定と測定結果の確認をすることができます。
基本的にできることはAmazfitシリーズで共通していますが、「Cheetah」シリーズには[プロフィール]のタブに”Zepp コーチ”という項目が追加されており、ここからAIが提案してくれたトレーニングの経過状況や結果を確認することができます。
Zeppコーチを一番最初に利用するときには、レースに出たりタイムを改善することなどランニングレベルの向上を目標にするのか、健康維持のために走るのかという選択肢が表示され、どちらを選ぶかによってトレーニングの内容が変わります。
選んだ目標やトレーニングの日数などに応じ、過去の運動データなどをもとにAIがどれくらいのトレーニングをすればよいかを提案してくれます。筆者の場合、週3回にしてみたところ中強度トレーニング(141BPMで13分)をやれと言われています。
で、実際にやると以下のように提案された目標をどの程度クリアしているかが表示されます。翌日になると、トレーニングは週3回なので休養日であることがわかるよう通知も表示されます。
このように、設定した内容と経過によってAI側でトレーニングの内容や時間などを提案してくれるため、それに合わせてユーザーは運動すれば良く、いちいち自分で考えなければならない手間が省けます。
プロユーザーだとこれが良いかは判断できませんが、筆者のような軽めの運動のひとつとしてランニングをするのであれば、難しいことは考えずAIに任せて走れば良いだけなので、わりと気軽に運動できるような気がします。ただし、Zeppコーチの機能を利用するためには週に3日以上のトレーニング予定を設定する必要があるため、週に1日だけというケースだと活かせないことに注意してください。
実際に走ってみた
GPSや測定機能をフルで使った状態で、バッテリー駆動時間がどれくらいかを試すためにも実際に走ってみました。
まず、GPSの測定機能に関して比較するために「Amazfit Cheetah」と「Google Pixel Watch」を装着して走ってみたところ、「Amazfit Cheetah」のほうがGPSの測定精度だけでなく測位のスピードが確かに早いことが確認できました。
「Pixel Watch」のほうが「Amazfit Cheetah」よりも先に測定をオンにしましたが、実際に測定され初めた場所がAmazfitよりも遅れていることがわかります。また、「Pixel Watch」は走ったルートもわずかに膨らんでおり、測定しはじめた位置が遅いにも関わらず距離がわずかに多くなっています。
わずかな違いかもしれませんが、筆者の体感としては「Amazfit Cheetah」が正確にルートを測定できていることは間違いなく、自分が走行したルートや距離を正しく把握したいユーザーには「Amazfit Cheetah」がオススメできます。
なお、「Amazfit Cheetah」もオフラインマップとルートインポート機能を使うことができますが、指定された形式のルートファイルをインポートするなど少し手間がかかります。そのため今回のレビューでは使用していませんが、ネットワーク接続が不安定な地域を走る場合は、事前にルートを取り決めておいてそれに従う場合などには便利な機能だと思います。
最後にバッテリー駆動時間について、「Amazfit Cheetah」で内蔵のミュージックアプリ(内蔵ストレージに音楽を保存して)を使って音楽を聞きつつ、GPSとモニタリング機能をオンにして走ってみたところ、約30分の間で約4%のバッテリー消費となりました。ちなみに音楽再生なしで測定していた「Pixel Watch」は、同じ時間で7%のバッテリー消費でした。
モニタリング機能をフルで使いつつ通知などを受けたりしていると、大体1時間で1〜2%バッテリーを消費する程度だったので、筆者の使い方であれば5日近くは使うことができます。色々調整すれば、運動しても1週間は充電せずに過ごせるレベルですので、かなり優秀でした。
充電も専用のマグネット式充電器で手軽に充電できますし、過去のAmazfitスマートウォッチを使っていれば充電器を流用できる(最近のモデル)ので、無駄にならないという点も地味にメリットです。
まとめ
「Amazfit Cheetah」は、ランナー向けのスマートウォッチと言うだけあってGPSの精度やAIによる提案などがしっかりと機能しており、初心者から上級者まで幅広く対応できるモデルだと思います。また、本体の軽さと多機能を備えつつバッテリー駆動時間も長いという点はかなり魅力的なスマートウォッチです。
これから健康維持のためにランニングを考えている人や、すでにランニングを始めていてパフォーマンスを向上させたい人で、扱いやすいスマートウォッチを探しているのであれば「Amazfit Cheetah」は良い選択肢になります。