Google は 2026 年 3 月 27 日、Pixel デバイス向けに「Android 17 Beta 3」の展開を開始しました。
前回のリリースからちょうど 4 週間後となる今回のアップデートで、Android 17 は「プラットフォーム安定版 (Platform Stability)」に到達しています。これにより API やアプリの挙動が最終確定し、正式リリースに向けた最終段階に入りました。
記事執筆時点で、筆者の Pixel 10 Pro Fold でアップデートの受信を確認しています。
Android 17 Beta 3 の主な変更点
今回のアップデートでは、プラットフォーム安定版への到達に伴う開発者向けの API 確定だけでなく、一般ユーザーの利便性を向上させる複数の新機能や UI の調整が含まれています。
ホーム画面のカスタマイズと UI の変更
Android 17 Beta 3 では、ユーザーが直接触れる UI にもいくつかの変更が加えられ、「壁紙とスタイルの設定」から、アプリアイコンの下に表示されるアプリ名(ラベル)を非表示にする機能が追加されました。

この機能については、以下の記事で詳しく説明しています。
また、画面録画(スクリーンレコード)機能のツールバーが再設計され、フローティング表示に変更されました。さらに、Beta 2 で導入された「バブル」機能も、すべてのアプリで完全に有効化されています。

なお、この変更については先日公開された Android Canary 2603 でもすでに利用可能になっています。
さらに Android Canary 2603 で展開されていた、クイック設定にある「Wi-Fi」と「モバイルデータ」のタイル分割も導入されたことを確認しました。
- 関連記事:
カメラとメディア機能の強化
カメラやメディア関連の設定も強化され、画像を選択するためのフォトピッカー機能では、従来の 1:1(正方形)だけでなく、9:16(縦長)の比率に変更できるようになりました。これにより、縦画面を基本とするアプリなどとの親和性が向上しています。

さらに、RAW14 フォーマットへの対応や、Bluetooth LE Audio 対応の補聴器を通常のワイヤレスイヤホンと明確に区別し、通知や着信音などのシステム音の出力先を個別にルーティングできる機能も追加されています。
セキュリティとシステムの最適化
プライバシー保護機能として、1 回のセッションでのみ正確な位置情報を許可するシステム提供の「位置情報ボタン」や、パスワード入力時に物理キーボードとタッチキーボードで表示のオン・オフを個別に設定できる機能が実装されました。

また、OS のフルアップデートを待たずに、絵文字やフォントをランタイムで更新できる「動的システムフォントフォールバック」機能も導入されています。これにより、新しい絵文字などがよりスピーディーに端末へ提供されます。
開発者向けの変更点など
一般ユーザー向けの機能に加えて、開発者やシステム向けの変更も多数含まれています。
- カメラ・メディア関連
- ベンダー定義のカメラ拡張機能: ハードウェアパートナーが独自のカメラモード(超解像や AI 強化など)を定義し、アプリからクエリできる機能が追加されました。
- カメラデバイスタイプの判別 API: カメラが内蔵ハードウェア、外部 USB Web カメラ、仮想カメラのいずれであるかを識別できるようになりました。
- 拡張 HE-AAC ソフトウェアエンコーダー: 低帯域幅の環境下でも、一貫した音量でより優れたオーディオ品質を提供するための新しいシステム提供エンコーダーが導入されました。
- パフォーマンス・バッテリー
- アイドル時アラームの Wakelock 削減: バックグラウンドでのバッテリー消費と部分的な Wakelock を減らすための新しいコールバックメカニズムが追加されました。
- セキュリティ
- ポスト量子暗号 (PQC) ハイブリッド署名: 将来の量子コンピューティングの進歩に備えた新しい APK 署名スキーム (v3.2)。詳細はこちら。
- UI・システム
- 外部ディスプレイでのウィジェットサポート改善: 異なるピクセル密度を持つ外部ディスプレイにおいて、ウィジェットの視覚的な整合性が向上しました。
- デスクトップインタラクティブ Picture-in-Picture (iPiP): デスクトップモードにおいて、ピン留めされたウィンドウが操作可能なまま常に最前面に表示される機能が追加されました。
- VPN アプリの除外設定: ユーザーが特定のアプリを VPN トンネルから除外(スプリットトンネリング)できるシステム管理画面を起動するための Intent が追加されました。
- OpenJDK 21 および 25 のアップデート: 最新の Unicode サポートや強化された SSL サポートなど、最新の OpenJDK 機能が統合されました。
- ヘルスコネクトのデバイスデータプロバイダー (DDP): アプリが生成したデータと、ハードウェア(Wear OS ウォッチやスマートフォン自体など)が直接生成したデータを区別できるようになりました。
Android 17 Beta 3 で修正された問題
今回の Beta 3 では、次のようなシステムの安定性や使い勝手に影響する問題が修正されています。
- 致命的なアクセシビリティの退行を修正
- サードパーティ製アプリで頻繁なランダム再起動や画面のちらつきを引き起こし、進行状況が失われる原因となっていた Android 16 のプロセスライフサイクル管理におけるシステムレベルの不具合を修正
- 仕事用プロファイルとプライベートプロファイルのアプリに拡張ダークモードが適用されない問題を修正
- デバイスのフリーズとその後の再起動を引き起こすシステムの不安定性の問題を修正
- 5 倍望遠レンズへの切り替えができなくなるカメラの不具合を修正
- 超広角レンズから広角レンズへの移行中に発生するカクつきや不安定な動作を修正
- 80% の充電制限を有効にしている場合、充電が 77% で停止または著しく遅くなる問題を修正し、目標値に到達してバイパスモードに効率的に移行するようロジックを最適化
- Android Auto からの切断後やデバイスのロック後にロック画面が反応しなくなるシステムのフリーズを修正
- Android Auto の使用中にデバイスのフリーズや再起動を引き起こすシステムの不安定性の問題を修正
- 頻繁な自然再起動とデバイスのフリーズを引き起こすシステムの不安定性の問題を修正
- 再起動後、Pixel Launcher やナビゲーションなどのシステム UI コンポーネントが数分間読み込まれない重大な問題を修正
- 予期せぬデバイスの再起動を引き起こす Android 16 Beta 3 での不具合を修正
- オーディオフォーカスの急速な変更中に発生するクラッシュを修正
- Bluetooth のペアリングが最大 150 秒間停止する問題を修正
- アイドル時に自然再起動を引き起こすシステムレベルの不安定性を修正
- 複数の通知がアクティブな場合、サイレント通知が予期せず音を鳴らす問題を修正
- Wi-Fi スキャンフレームワークにおいて、アナライザーアプリが近くの信号を検出できなくなる問題を修正
- 着信時にデバイスのバイブレーションが機能しない問題を修正
- 80% の充電制限が有効になっている場合、バッテリーセーバーがいつまでもアクティブなままになる問題を修正
- ロック画面から Google メッセージの通知を操作する際に視覚的なアーティファクトを引き起こすディスプレイのレンダリング問題を修正
- 通知が消去されなかったり、再び表示されたりする問題を修正
- 戻るナビゲーションの移行中に視覚的なアーティファクトを引き起こすレンダリングの問題を修正
- システムステータスバーのアイコンがランダムに消え、バッテリーやネットワークのレベルが確認できなくなる問題を修正
対象デバイスとアップデート方法
Android 17 Beta 3 は、Pixel 6 シリーズ以降のデバイス (Pixel 6 / 6 Pro / 6a から最新の Pixel 10 / 10 Pro / 10 Pro XL / 10 Pro Fold / 10a まで)、および Pixel Tablet、Pixel Fold を対象に配信されています。
Android ベータプログラムに参加している筆者の Pixel 10 Pro Fold でもアップデートを受信しており、更新サイズは 3.55 GB となっていました。

すでに Android ベータプログラムに参加している対象デバイスには、OTA (Over-The-Air) で自動的にアップデートが配信されます。これからベータ版を試したい場合は、Android ベータプログラムの公式サイトから対象デバイスを登録することでインストール可能です。
今後、確認できた変更点については、別記事で改めて紹介する予定です。


