Google Cloud は 2026 年 10 月 9 日、「Gemini at Work 2026」において、質問への回答からコンテンツ作成、コーディングまでを単一のプロンプトボックスで処理する、仕事向けの汎用エージェント「Gemini エージェント」を発表しました。
Gemini エージェントは、Gmail や Google ドキュメントなど、Google Workspace の各アプリ内でも直接動作します。
現時点では企業向けのプレビューに限られており、個人の Gemini アカウントでは利用することができません。
主な機能
Google によると、Gemini エージェントは質問への回答、ナレッジワーク、画像やメディアの作成、コードの記述と実行を、単一のエージェントと API で処理します。
ユーザーが指示ではなく目標を与えると、計画を立ててスキルやツールを使い、完成した成果物を作業中のドキュメントや受信トレイ、開発環境に反映します。
主な特徴は次のとおりです。
- 統合エージェント : チャットでの質問回答、自律的な作業、コード生成を単一のインターフェースで実行し、作業の割り当てやスケジュール、イベントへの応答も指示できます
- どこからでも利用 : Web、モバイル、デスクトップ、コマンドライン、Google Workspace、Microsoft 365、Slack から使えます
- 永続的な実行 : クラウド上で動作するため、PC を閉じたあとも処理が続き、どこから使ってもメモリとコンテキストは共通です
- マルチエージェント : 複数の工程にまたがる作業では、ジョブごとのサブエージェントを動的に作成して処理を調整します
- コワーカー エージェント : @agents.company.com といった独自のメールアドレスと永続ストレージを持ち、ユーザーやチームメンバーが共有した内容だけにアクセスして動作します
ツール、スキル、コンテキスト
Gemini エージェントは、価格設定やプロダクト ポートフォリオ、部門ごとの規範といった組織固有の知識を、次の 3 つの機能で把握します。
- ツール : Confluence、Microsoft Office、Slack、Git、Jira、Salesforce、ServiceNow、BigQuery、Snowflake など、社内で運用しているソフトウェアに接続します。MCP サーバーにも対応し、チームが作ったツールを社内に公開するレジストリもあります
- スキル : 作業手順を教える機能で、チームや個人がカスタム スキルを作り、共有レジストリに公開できます。タスクに応じて適切なスキルとツールを選び、実行のたびに学習してトークンコストを削減します
- コンテキスト : 質問や目標、一緒に働く人々から学習し、ユーザー個人や組織のコンテキストで回答をパーソナライズします。作業を始める前に、ユーザーやツール、チームについて学習します
スキルの一例として、データエンジニアと ML エンジニア向けには、自然言語で説明した内容から PySpark コードを生成し、モデルのトレーニングやパイプラインの問題の自律的な修正まで行います。
ビジネスユーザー向けには、質問するだけで BigQuery や Knowledge Catalog と統合されたレポートを生成でき、一度保存したレポートはトークンコストなしで再実行できます。
モデルの選択
Gemini エージェントは、ジョブごとに最も適したモデルを選んで動作し、現時点では Gemini モデルファミリーと Anthropic の Claude モデルを横断し、将来的にはほかの主要なモデルも加える方針です。
Google Cloud は、最も大規模なモデルが常に最適とは限らないとして、難度の高い作業での精度向上と、シンプルな作業でのコスト削減の両立を挙げています。
Google Workspace 内での動作
Gmail、Google ドライブ、Google ドキュメント、Google スライド、Google スプレッドシート、Google Chat、Google カレンダーの中で動作し、どこで使っても同じメモリ、スキル、ガバナンス制御が維持されます。
Workspace 内では、次の 3 つの方法で利用できます。
- パーソナル アシスタント : 「来週、いつもの地域イベント担当チームとの会議を設定して」と頼むと、チャットスペースや過去の予定から参加者を特定し、カレンダーを確認して調整メールを送ります
- プロアクティブな委任 : 重要度の高い受信メールを理由とともに示し、任せられるタスクを提案します
- チームメンバー : コワーカー エージェントに独自の Workspace アカウントが付与され、Google Chat のスペースへの追加やメンションで連携できます
管理者向けの制御
すべてのエージェントには従業員と同様に独自のアイデンティティが付与され、組織のセキュリティ管理者が承認したロールベースの権限で動作します。
外部システムとの連携には OAuth などの業界標準が使われ、実行したアクションは人間ではなくエージェントに紐付けて監査証跡に記録されます。Google Cloud のオブザーバビリティ ツールで、ログをリアルタイムに監視することも可能です。
各エージェントは独自のネットワーク境界を持つ Agent Sandbox 内でタスクを実行し、入出力やエージェント間のトラフィックは、組織のポリシーをリアルタイムで適用する AI ネットワークファイアウォール「Agent Gateway」を通過し、ポリシーは一度作成すれば社内のすべてのエージェントに適用されます。











