Google は 2026 年 4 月 21 日(現地時間)、Gemini API の有料枠において、Gemini 3.1 Pro をベースにした自律型のリサーチエージェントとなる Deep Research および Deep Research Max のパブリックプレビューを開始したことを発表しました。
現在は Interactions API を通じてデベロッパー向けに展開されており、今後は Google Cloud のスタートアップやエンタープライズ顧客向けにも展開される予定です。
用途に合わせた 2 つのリサーチエージェント
Google は 2025 年 12 月に先行してプレビュー版のエージェントを公開していましたが、今回の更新で用途に応じた 2 種類のエージェントが用意されました。
Deep Research
対話型のユーザーインターフェースに直接組み込む用途に適したエージェントです。低遅延での応答が可能になり、12 月のプレビュー版と比べてコストを抑えながら高い品質で出力します。

Deep Research Max
包括的で高品質なレポート作成に特化したエージェントで、情報の検索や分析、文章の調整を何度も繰り返して仕上げるため、ユーザーが別の作業をしている間や夜間のうちに、大量のデータから専門的な企業調査レポートを作成させるといったバックグラウンドでの自動処理に適しています。
また、以前のバージョンでは見落とされがちだった細かな文脈やニュアンスも正確に読み取るよう改善され、企業の公式な財務書類(SEC 提出書類)や信頼性の高い学術論文など、さまざまな情報源を照らし合わせて事実を比較検討する能力を備えています。

実際の業務においては、このような非同期処理を活用することで、担当者は長時間のデータ収集作業から解放され、分析結果の確認と意思決定に集中できるようになることが期待されます。
MCP サポートとグラフのネイティブ生成
今回のエージェントは公開されているウェブ上の情報の検索に加え、専門的なデータソースを利用するための機能を備えています。
Model Context Protocol (MCP) への対応
企業が独自に保有するデータや、外部の専門的なデータソースに安全にアクセスするため、新たに Model Context Protocol (MCP) がサポートされました。
Google は現在、FactSet や S&P Global、PitchBook といったデータ提供企業と協力して MCP サーバーの設計を進めており、金融などの専門データをリサーチのワークフローに直接組み込む取り組みを行っています。
グラフとインフォグラフィックの作成
テキストの生成だけでなく、HTML や Nano Banana を活用してグラフやインフォグラフィックを生成できるため、定量的、定性的なデータを視覚化し、レポート内で直接表現することが可能です。

リサーチの制御と透明性を高める機能
リサーチのプロセスをより細かく管理するための機能も拡張され、エージェントが実行を始める前にリサーチ計画を確認し、範囲を調整できる共同計画機能が追加されました。
また、Google 検索や MCP サーバー、ファイル検索などを同時に実行したり、ウェブアクセスを完全に無効にしてローカルデータのみを検索するように設定したりすることも可能です。
さらに、PDF や CSV、画像、音声、動画などの複数のファイル形式を組み合わせて入力するマルチモーダルなグラウンディングに対応しており、実行中にはリアルタイムで推論の過程をストリーミングで確認でき、生成されたテキストや画像を順次受け取ることができます。
まとめ
今回リリースされた Gemini 3.1 Pro 搭載の Deep Research および Deep Research Max は、複雑な情報収集から事実の比較検討までを含めた、エンタープライズ水準の本格的な分析業務を自動化する強力なエージェントです。
MCP を通じた専門データの統合や、グラフのネイティブ生成機能が追加されたことで、金融や科学など高い正確性が求められる分野でも実用的なリサーチが可能になりました。
膨大なデータの収集や検証を自律型エージェントに任せることで、担当者は最終的な意思決定や、より高度な専門業務に集中できるようになることが期待されます。
現在は Gemini API の有料枠を通じて利用できるため、大規模なリサーチ業務を必要とする企業やデベロッパーにとって有力な選択肢となります。
詳細については Gemini API のドキュメント「Gemini Deep Research エージェント」をご確認ください。


