Google が Android 向けの乗り物酔い対策機能として、以前から「Motion Cues(モーションキュー)」というコードネームで開発されていることが報じられてきました。
しかし、最新の情報によると、この機能は Apple の類似機能との混同を避けるため「Motion Assist(モーションアシスト)」という名称に変更され、2026年にリリース予定の「Android 17」で正式導入される可能性が高いことが報告されています。
「Motion Cues」から「Motion Assist」へ
移動中の車内などでスマートフォンの画面を見ていると発生する「車酔い(動揺病)」は、視覚と内耳の平衡感覚のズレが原因とされています。
これを解消するため、画面上に動きに合わせて移動するドットを表示する機能は、すでに Apple が iOS 18 で「車両モーションキュー(Vehicle Motion Cues)」として導入しています。
これまで Google も同様の機能を開発してきましたが、Android Authority によれば、Apple の機能名と似ていることで模倣との批判を避けるため、正式リリース時には「Motion Assist」という名称に変更される可能性があるようです。

Android 17 で実装される可能性が高い理由
この機能は、すでに現在の Google Play 開発者サービス内から発見されていますが、Android のセキュリティポリシーの仕様ですぐには導入できないことが示されています。
現在の「Motion Assist」の実装は、通常のアプリと同じ「オーバーレイ表示(他のアプリの上に重ねて表示)」が利用されています。

しかし、Android のセキュリティポリシー上、設定画面や通知パネル、ロック画面といった重要な「システムUI」の上には、サードパーティ製アプリや通常のオーバーレイを描画することが禁止されています。
そのため、いまリリースされても、「設定を変更しようとしたとき」や「通知を確認したとき」にドットが消えてしまうことになります。
これを解決するために、Google は Android 17 で新しいシステム API を導入する準備を進めているようです。
Android Canary ビルド(2512)で見つかった新しい仕組みでは、ドットの描画処理をアプリ(Google Play 開発者サービス)側ではなく、OS のシステム UI 自体(SystemUI)に委ねることになります。
これにより、セキュリティ制限を回避しつつ、ステータスバーやロック画面を含むあらゆる画面上でシームレスにドットを表示できるようになります。
移動検知による自動化にも期待
Google は現在、移動中であることを検知して設定を自動変更する「Transiting mode(移動モード)」の開発も進めています。
「Motion Assist」が「移動モード」と連携すれば、電車や車に乗り込んで移動を始めた段階で、自動的に画面にドットが表示され、ユーザーが意識することなく乗り物酔いを予防できる可能性があります。
まとめ
これまで「Motion Cues」として知られていた機能は、「Motion Assist」と呼ばれる可能性が示されました。
システム上の制限により、すぐに実装されるわけではありませんが、Android 17 ではその制限を回避して実装される可能性があります。
最終的にどのような機能になるかはまだ分かりませんが、Android デバイスにもネイティブの乗り物酔い対策機能が追加されることで、移動中でも安心して利用できるようになることに期待です。


