Google は Android の開発者向け機能の一つである「ワイヤレスデバッグ(Wireless ADB)」において、信頼できる Wi-Fi ネットワークに接続した際に機能を自動的にオンにする新しい設定がテストしていることが報告されました。
この情報は Android Authority が Android Canary 2512 で確認したもので、「信頼できるネットワーク」に接続している場合、ワイヤレスデバックが自動的に有効になる設定が追加されました。
ワイヤレスデバッグの「勝手にオフになる」問題
ADB(Android Debug Bridge)は、アプリ開発者がPCからデバイスを操作したりログを確認したりするために必須のツールですが、不要なプリインストールアプリの削除やカスタマイズを行うために、一般ユーザーも使うことがたまにあります。
特に Android 11 以降ではワイヤレスでのセットアップが簡略化され、QR コードなどを使って簡単に接続できるようになりました。

しかし、現行のワイヤレスデバッグ機能には「一定期間使用しないと自動的に機能がオフになる」という仕様があります。
これはセキュリティを考慮したものですが、頻繁に利用するユーザーにとっては、その都度「開発者向けオプション」やクイック設定パネルから手動で再有効化する必要がありました。
信頼できるWi-Fiで自動的にオンに
Android Authority の Mishaal Rahman 氏によると、最新の Android Canary ビルド(開発中のテスト版)において、この挙動を変更するオプションが追加されていることが確認されました。
新しい仕組みでは、ユーザーが自宅や職場などの「信頼できるネットワーク」に接続している場合、ワイヤレスデバッグが自動的に有効になります。
これにより、ユーザーが操作することなくワイヤレスデバッグが再有効化されるため、従来の手間が省かれるようになりました。
また、これまで接続の安定性を求めて物理的な USB ケーブルを使用していた場面でも、完全なワイヤレス環境へ移行できることが期待されます。
まとめ
Android のワイヤレスデバッグ機能に、信頼できる Wi-Fi 接続時の自動有効化オプションがテストされています。実装されれば、頻繁な再接続の手間が減り、ワイヤレスでのデバイス管理がより実用的になります。
この機能が一般のユーザーにいつ提供されるかは現時点では分かりませんが、Android の Canary ビルドで有効になっていることから、早ければ来年の3月に予定されている Android 16 QPR3、あるいは次期メジャーアップデートである Android 17 で正式に導入される可能性があります。


