Google Pixel 10 シリーズでは、ゲームエミュレーターに続いて、Android ネイティブゲームでもパフォーマンスの不安定さが指摘されています。
Tensor G5 に搭載された PowerVR GPU(Imagination Technologies DXT-48-1536)の最適化不足が影響しているとみられ、Google は今後のアップデートで改善を予定しています。
Android Authority による実機テスト結果
Android Authority の検証によると、Pixel 10 Pro XL は前世代の Pixel 9 Pro XL と比較して、ゲームタイトルによってパフォーマンスがまちまちでした。
「原神」ではやや高いフレームレートを維持した一方で、「アスファルト : Legends」や「Call of Duty: Mobile」ではフレームの不安定やカクつきが目立ち、特に 100ms 超の描画遅延(ジャンク)が多く報告されています。
Pixel 10 Pro XL は Vulkan ではなく OpenGL を使用している点もあり、描画方式の違いが結果に影響している可能性があります。
消費電力と発熱も課題
性能以外にも、Pixel 10 シリーズでは消費電力の高さが問題視されています。
「原神」では平均 7.2W、「アスファルト : Legends」では最大 17W に達する場面もあり、バッテリーの減りが早く、長時間のゲームプレイには不向きとされています。
また、一部のタイトルでは PowerVR GPU が原因とみられる描画バグも確認されており、アンチエイリアスを有効にした場合にグラフィックの破損(アーティファクト)が発生するケースもあります。
対応していないゲームタイトルも存在
さらに深刻なのは、PowerVR GPU をサポートしていない Android タイトルがある点です。
たとえば「Alien Isolation」は旧 Pixel シリーズでプレイ可能ですが、Pixel 10 ではインストール自体ができないことが確認されています。
筆者の Pixel 10 Pro 実機でも、Play ストア上で「このアプリは他のデバイスでのみ利用できます」と表示されました。

Google は GPU ドライバ更新を予告
Google は 10 月に Android Authority の問い合わせに対し、「今後の月次・四半期アップデートで GPU ドライバの品質改善を継続する」とコメントしています。
すでに 9 月・10 月のアップデートにはドライバ修正が含まれているものの、抜本的な最適化や新バージョン(v25.1)の適用には至っていません。
なお、Imagination Technologies は 2025 年 8 月時点で Vulkan 1.4 や Android 16 に正式対応する新しい GPU ドライバを提供済みであり、Google がこれを Pixel 10 向けに配信するかが注目されています。
今後の改善に期待
現時点では、Pixel 10 シリーズは一般的な Android ゲームのプレイに支障はないものの、前世代比で大きな進化を感じにくく、特にエミュレーターやグラフィック負荷の高いタイトルでは課題が残っています。
今後の GPU ドライバ更新によって、パフォーマンスと互換性の改善がどこまで進むかが鍵となりそうです。
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