Google Pixel 10 シリーズには、初の TSMC 製となる新チップ「Tensor G5」を搭載し、パフォーマンスだけでなく電力効率の高さも注目されていました。
今回、ある YouTuber が行ったバッテリー消耗テストでは、競合となる iPhone 16 Pro や Galaxy S25 を上回る結果を記録しました。
3nm プロセス採用の最新チップによる比較テスト
今回のテストは、YouTube チャンネル「Lover Of Tech」が実施したもので、テストには TSMC 製 3nm プロセスチップを搭載した 3 つのスマートフォンが使用されました。
- Pixel 10 Pro: Tensor G5
- Galaxy S25: Snapdragon 8 Elite
- iPhone 16 Pro: Apple A18 Pro
公平を期すため、各デバイスのディスプレイ輝度は 200 nit に固定され、自動明るさ調整はオフに設定、Pixel の解像度は 1080p に変更されています。ただし、バッテリー容量には以下の通り差があります。
- Pixel 10 Pro: 4,870 mAh
- Galaxy S25: 4,000 mAh
- iPhone 16 Pro: 3,582 mAh
4K 動画撮影テストで Pixel が iPhone と同等の性能
最初のテストは、1 時間にわたる 4K 60fps での動画撮影です。このテストでは、Snapdragon 8 Elite を搭載した Galaxy S25 のバッテリーが 22% 減少し、温度も 44.9℃ まで上昇しました。

対照的に、Pixel 10 Pro と iPhone 16 Pro のバッテリー減少はともに 15% にとどまりました。温度に関しても、Pixel が 41.7℃、iPhone が 40.8℃ と、Galaxy よりも低温を維持しており、Tensor G5 の電力効率の高さを示しています。
YouTube 再生では他機種をリード
SNS の利用テストでは他機種に劣ったものの、YouTube の動画再生テストで Pixel は大きくリードし、最終的に総合評価で 1位を獲得しました。

これは、Pixel が iPhone の Pro モデルを上回ったこと示す貴重な結果ですが、テストで使用されたのが Galaxy S25 の標準モデルであった点には注意が必要です。より大容量のバッテリー (4,900 mAh) を積む Galaxy S25+ や S25 Ultra であれば、順位が変わっていた可能性も指摘されています。
まとめ
これまで Google の Pixel シリーズは、最高のパフォーマンスよりも「日常使用におけるバランスの取れたスマートフォン」であることを目指してきました。
今回のテスト結果は、Pixel 10 シリーズが、長年の課題であったバッテリー寿命や発熱の問題を克服し、パフォーマンスと電力効率の両立を実現していることを示唆しています。
とはいえ、Pixel 10 シリーズの Tensor G5 が完璧というわけではなく、純粋な CPU パフォーマンスやグラフィックス性能、さらなる電力効率の最適化の必要性など課題はまだ残されています。
しかし、HelenTech でも実際に Pixel 10 Pro を使っていますが、前世代からは着実にアップグレードされていることを実感できるため、Google が地味でも確実な改善を進めていくことに期待したいですね。
出典: YouTube, Gizmochina