Google は、Bluetooth デバイスのペアリングを簡単にする「Fast Pair (ファスト ペアリング)」機能を Google TV にも展開すると発表しましたが、1 年以上が経過した現在でも、その対応はごく一部のデバイスにとどまっていることが明らかになりました。
この情報は Android Authority が Google Play Console で調査した結果、現時点では Fast Pairをサポートするデバイスが 4 つしかないことを発見しています。
Fast Pair (ファスト ペアリング) とは?
「ファストペア (Fast Pair)」は、スピーカーやイヤホン、コントローラーなどの Bluetooth 対応アクセサリーを、スマートフォンやテレビに簡単に接続するための仕組みです。通常、テレビで Bluetooth デバイスをペアリングするには、デバイスをペアリングモードにし、テレビの設定メニューから Bluetooth ページを開き、デバイスをスキャンして選択、最後にペアリング要求を承認するという複数のステップが必要です。
Fast Pair に対応したデバイスであれば、アクセサリーをペアリングモードにするだけで、テレビ画面にポップアップが表示され、ワンタップで接続を完了できます。この便利な機能は、2017 年に Android スマートフォン向けに導入され、2022 年 1 月には Google TV や Android TV OS デバイスにも数ヶ月以内に展開されると発表されていました。
現状は 4 つのデバイスのみが対応
しかし、Google TV への Fast Pair の展開が実際に始まったのは、最初の発表から 2 年後の 2024 年 2 月からで、2024 年 3 月には Google の公式 X アカウントが「Android 12 以降を実行するすべての Google TV デバイスに Fast Pair を展開中」と投稿しましたが、これも正確な情報ではありませんでした。
Android Authority によると、現時点で Fast Pair をサポートしているデバイスは以下の 4 つのみであるとしています。
- Chromecast with Google TV (4K)
- Chromecast with Google TV (HD)
- Google TV Streamer
- Onn 4K Plus
この調査結果について Google に問い合わせたところ、Google の広報担当者はこの情報が正確であることを認めたことを伝えています。
デバイスメーカー側の対応が必要
普及が限定的である理由について、Google の広報担当者は「すべての OEM(メーカー)が Fast Pair を有効にすることを選択できる」とし、「より多くのデバイスにこの機能を提供するため、パートナーと積極的に協力している」と付け加えています。
スマートフォンや ChromeOS では広く展開されている機能が、なぜ Google TV ではメーカーによる個別の対応を必要とするのか、その具体的な理由は分かりません。
まとめ
Google TV における Fast Pair 機能は、ユーザーの利便性を大きく向上させることが期待されていたものの、発表から長い時間が経過しても、対応は Chromecast を含むごく少数のデバイスに限られています。
この機能が広く普及するためには、Google と各テレビメーカーとの連携が不可欠とのことなので、ユーザーとしては、今後の対応デバイスの拡大に期待したいところです。