Google は、AI がユーザーに代わってローカルビジネスに直接電話をかける機能を、米国内で正式に提供開始しました。この機能は、今年 1 月に「Ask for Me」として発表されていた実験的なツールの本格展開となります。
これにより、ユーザーは自ら電話をかける手間を省き、より効率的に情報を得ることが可能になります。
AI が店舗に代わって問い合わせる新機能
この新機能は、AI がユーザーのエージェント (代理人) のように能動的にタスクを実行するもので、Google 検索に直接統合されます。この機能の基盤には、レストラン予約などで以前から利用されている「Google Duplex」の技術が活用されています。
ユーザーが例えば「pet groomers near me (近くのペットグルーマー)」のようにローカルビジネスを検索すると、検索結果に「Have AI check pricing (AI に料金を確認させる)」という新しいオプションが表示されます。
このオプションからリクエストを送信すると、Google 検索が残りの作業を実行します。AI は複数の店舗に電話をかけ、予約可能な時間帯やサービスに関する情報を収集・整理し、ユーザーに一覧として提示します。

今年 1 月のテスト段階では、オイル交換やネイルサロンの予約など一部のサービスに限定されていましたが、今回の正式提供により、ペットグルーマーやクリーニング店といった、より多くのビジネスサービスも対象となります。
提供状況と今後の展開
この AI による電話機能は、現在、米国内のすべての Google 検索ユーザーに向けて順次提供が開始されています。なお、有料プランである「Google AI Pro」および「AI Ultra」の加入者は、無料ユーザーよりも高い利用上限が設定されています。
Google は AI による自動通話であることを明確に開示するとしており、ビジネスオーナーは、Google ビジネスプロフィールの設定を通じて、この機能からの問い合わせを受け取らないようにすることも可能です。
Google は今後も、最先端の AI 機能をまず有料プラン加入者に先行提供し、将来的には世界中のすべてのユーザーに高度な機能を展開していくとしています。
まとめ
Google 検索に搭載された AI による電話代行機能は、ユーザーの手間を大幅に削減する画期的なものとなる可能性があります。とくに、これまで面倒だった複数店舗への問い合わせや比較検討が、検索から簡単な操作で完結するようになる点はメリットだと思います。
現時点では米国のみの提供で、米国外の地域や英語以外の言語でいつ利用可能になるかは分かりませんが、便利な機能の展開には期待したいですね。
出典: Google