Google が、アプリストア「Google Play」において、OS の根幹を支える「システムアプリ」のレビューおよび評価機能を削除した新しい表示形式を本格的に導入したことが明らかになりました。
Android Authority によると、かねてよりテストされていたこの変更は、2025 年 7 月に入り、広く展開が始まったようです。この変更はユーザーの不満が不当な低評価につながる「レビュー爆撃」を防ぐ狙いがあるとみられます。
レビュー欄のないシンプルな表示へ
この新しい仕様では、対象となるシステムアプリの Play ストアページから、ユーザーレビューの投稿機能や星による評価システムが完全に取り除かれています。
表示されるのは、アプリの新機能と基本的な概要のみが記載された、非常にシンプルな形式です。
実際に筆者の環境でも、以下のスクリーンショットのようにシンプルな形式で表示されるようになっていることを確認しました。


この変更の対象となるのは、「Android System Intelligence」に代表されるような、OS のバックグラウンドで動作するシステムサービスです。
これらのアプリは、ほとんどのユーザーが日常的に存在を意識することはなく、Play ストアで検索しても表示されません。スマートフォンの設定メニューから「インストール済みアプリ」の一覧などをたどった場合にのみ、この新しい表示形式を確認できます。
ちなみに、システムアプリではないけれど、システムアプリに近い「Android Device Policy」アプリなどはレビュー欄が表示されたままとなっています。そのため、一般ユーザーが直接影響を受けるわけではないアプリ全てが、シンプルな形式になっているわけではありません。
仕様変更の背景にあるとみられる理由
Google はこの変更の意図を公式に説明していませんが、おそらく理由としては、ユーザーがシステムに対する不満のはけ口として、無関係なシステムアプリに低評価を集中させる「レビュー爆撃」を防ぐことが目的である可能性が考えられます。
例えば、OS のアップデート後に予期せぬ不具合が発生した際、ユーザーはその原因が特定のシステムアプリにあると誤解し、不当な評価を下す可能性があります。システムアプリはユーザーが任意でインストールするものではないため、こうした評価は実態を反映しているとは言えません。
また、そもそもシステムアプリは、その動作を正しく評価するために専門的な知識を要する場合が多く、一般ユーザーによるレビューが他のユーザーにとって有益な情報となりづらいという側面もあります。
まとめ
今回の Google Play ストアの仕様変更は、システムアプリという特殊なカテゴリのアプリにおいて、不当なレビューによる混乱を防ぎ、評価システムの信頼性を保つことが主な目的とみられます。
多くの場合、一般ユーザーが日常的に利用するアプリに直接的な影響はありません。これは、プラットフォーム上の情報の質を維持するための、Google による合理的な判断だと考えられます。