Google は 2025 年 7 月 14 日 (現地時間)、長期サポートチャンネル (Long Term Support: LTS) を利用しているほとんどの ChromeOS デバイスに対し、新たなマイナーアップデートの展開を開始しました。
このアップデートには選択された 4 件のセキュリティ修正が含まれており、バージョンは 132.0.6834.227 (プラットフォームバージョン: 16093.109.0) へと更新されます。
セキュリティ修正の内容
今回のアップデートで修正された主なセキュリティ脆弱性は次のとおりです。
- CVE-2025-6192 (深刻度: 高): Profiler における解放済みメモリの使用 (Use after free)
- CVE-2025-5068 (深刻度: 中): Blink における解放済みメモリの使用 (Use after free)
- CVE-2025-5281 (深刻度: 中): BFCache における不適切な実装 (Inappropriate implementation)
- CVE-2025-6554 (深刻度: 中): V8 における型混乱 (Type Confusion)
「Use after free」は、プログラムがすでに不要と判断し解放したメモリ領域に再度アクセスしてしまうことで発生する脆弱性です。これにより、予期せぬ動作を引き起こしたり、場合によっては悪意のあるコードが実行されたりする可能性があります。
また、「Type Confusion (型混乱)」は、プログラムが特定の型のデータを互換性のない別の型として誤って解釈してしまう脆弱性で、これも意図しないコードの実行につながる危険性があります。
今回の修正は、システムの安定性とセキュリティを維持する上で重要な対応となります。
LTS (長期サポート) チャンネルとは
LTS (長期サポート) チャンネルは、機能の安定性を特に重視するユーザー向けに提供されるリリースチャンネルです。通常の Stable (安定版) チャンネルが約 4 週間ごとにメジャーアップデートを受け取るのに対し、LTS は 6 ヶ月ごとにメジャーアップデートが提供されます。
そのため、アップデートの頻度を抑え、安定した動作環境を長期間維持したい企業や教育機関での利用に適しています。
まとめ
今回のアップデートは、深刻度の高い脆弱性への対応を含む重要なセキュリティアップデートです。LTS チャンネルを利用しているユーザーは、デバイスを安全に保つため、早めにアップデートを適用することが推奨されます。アップデートは、今後数日から数週間かけてすべての対象デバイスで利用可能になる見込みです。
なお、次回の LTS 向けメジャーアップデートは、2025 年 10 月 14 日に ChromeOS LTS-138 への更新が予定されています。
出典: Chrome Releases