Google が Android などで提供するキーボードアプリ Gboard が、今後のアップデートによって生成 AI を活用し、より複雑で自然な音声コマンドでテキストの編集や修正ができるようになる可能性が報告されました。
この情報は Android Authority によるもので、Gboard の最新ベータ版(v15.6.2)の APK 解析から、「SmartEdit」 というラベルが付けられた新機能に関する記述が複数見つかったことを報告しています。この機能は 6 月に開発されていることが示唆されていたもので、今回の情報はそれをさらに具体化する内容となっています。
既存の機能と新しい「SmartEdit」の違い
現在の Gboard でも、「削除して」 や 「クリア」 といった基本的な音声コマンドによる編集は可能です。今回発見された 「SmartEdit」 は、おそらくデバイス上で動作する 「Gemini Nano」 モデルを利用することで、既存の機能よりも多様で複雑な指示を理解できるようになると考えられます。これにより、ユーザーはより自然な会話に近い形でテキストを編集できるようになる可能性があります。
「SmartEdit」 で可能になるとみられる操作例
Android Authority によると、この機能はまだ開発の初期段階にあり、実際に機能を有効化して試すことはできなかったものの、「SmartEdit」 によって可能になると考えられるいくつかの音声コマンドの例が示されていることを発見しています。
- テキストの途中にある特定の単語を挿入・編集する
- メッセージを送信する

これらの操作は 「詳細な編集 (detailed edits)」 と呼ばれており、単純な単語の削除よりも高度な処理能力が求められます。AI を活用することで、文章全体の文脈を理解し、的確な編集を実行することが期待されます。ただし、AI がどの程度の精度でユーザーの意図を汲み取れるかはまだ分かりません。
まとめ
今回発見された Gboard の 「SmartEdit」 は、AI を活用することで音声によるテキスト編集をより便利に行える可能性があります。とくにデバイス上で動作する Gemini Nano を活用することで、ネットワーク接続がない状況でも高速な編集が可能になれば、ハンズフリーでの文字入力や編集作業が飛躍的に快適になることが期待されます。
ただし、この情報はあくまで APK 解析に基づくものであり、Google が将来的にこの機能を正式にリリースするかはまだ確定していません。今後の正式な発表に期待したいところです。
なお、これまでにも報告されていますが、Google が次期 Pixel 10 シリーズに向けて 「Magic Cues」 のようなコンテキストに応じた AI 機能の搭載を進めている流れを考慮すると、この 「SmartEdit」 もその一環である可能性が考えられます。