Google が今年 8 月のリリースを計画していると言われる Google Pixel 10 シリーズにおいて、ディスプレイに関する新しい情報がリークされました。
この情報は Android Authority によるもので、Google は Pixel 10 Pro および Pixel 10 Pro XL において、ディスプレイのちらつき(フリッカー)を低減するための PWM 調光を 480Hz にアップグレードし、Pixel 10 シリーズ全体で画面の明るさを約 200nits 向上させる可能性があるとしています。
PWM 調光周波数の向上
今回報告された情報によれば、Google は Pixel 9 シリーズで約 240Hz の PWM 周波数を採用していましたが、Pixel 10 Pro および Pro XL では、これを 480Hz に引き上げることを検討しているとのことです。これにより、ちらつきに敏感なユーザーにとって、より快適な使用感が期待できます。
ただし、ただし、標準モデルの Pixel 10 と Pixel 10 Pro Fold については、現行と同じ 240Hz に据え置かれる可能性が高いとされています。
OLED (有機EL) ディスプレイの輝度を調整する方法には、主に DC 調光と PWM 調光の2つがあります。DC 調光は電圧を直接変化させるシンプルな方法ですが、低輝度時に色の再現性が不安定になるという課題があります。
一方、PWM 調光は、画面を高速でオン・オフさせ、その点滅の時間(パルス幅)を変えることで明るさを調整します。色再現性に優れ、非常に低い輝度まで正確に制御できるメリットがありますが、この点滅の周波数 (リフレッシュレート) が低いと、一部の敏感な人にはちらつきとして認識され、頭痛や目の疲れの原因となることが指摘されています。

ちなみに、以前に Google が Android Central への取材に対し、PWM 問題について「今年後半にアップデートが期待できる」と伝えていました。このことから、Pixel 10 シリーズでの改善が期待されていましたが、予想通り、Google が対応する可能性が示唆されました。
ディスプレイ輝度の向上
また、PWM 周波数の向上に加えて、ディスプレイのピーク輝度も Pixel 10 シリーズ全体で、現行 Pixel 9 シリーズから約 200 nits 向上する可能性があるようです。
スマートフォン | 輝度 (HDR, 公称値) |
Pixel 9 | 1,800 nits |
Pixel 10 | 2,000 nits |
Pixel 9 Pro | Pro XL | 2,050 nits |
Pixel 10 Pro | Pro XL | 2,250 nits |
Pixel 9 Pro Fold | メイン: 1,600 nits カバー: 1,800 nits |
Pixel 10 Pro Fold | メイン: 1,850 nits カバー: 2,050 nits |
Pixel 9 シリーズで既にディスプレイ品質は大幅に向上しているため、これらの変更はマイナーアップデートと位置づけられますが、着実な改善と言えます。
まとめ
Google がディスプレイのちらつき問題にようやく本格的に取り組み始めたことは、ユーザーにとって喜ばしいニュースです。しかし、Pixel 10 Pro と Pixel 10 Pro XL に限定される可能性がある点は、少し残念に感じるかもしれません。とくに Pixel 10 Pro Fold に変化がないのは残念ですね。
とはいえ、現時点ではこれらもリーク情報となりますので、正しいかどうかは、今後の追加情報や正式発表を待つ必要があります。