Nothing Phone の新しい AI 機能「Essential Space」について、当初は有料化されるとの憶測が広がっていましたが、Nothing がその価格設定について公式な見解を示しました。結論として、少なくとも現在の機能については無料で提供が継続されるようです。
年間 120 ドル? アプリ内部から見つかった有料化のヒント
「Essential Space」は、Nothing Phone (3a) シリーズで導入された AI を活用した新機能です。デバイス側面の専用キーを使ってスクリーンショットや音声メモを記録し、AI がその内容を解析して関連情報の抽出やリマインダー作成などを自動で行います。
この便利な機能について、アプリの APK ファイル解析から年間 120 ドルに相当する価格設定を示唆する記述が発見され、ユーザーの間で「高額すぎるのではないか」との懸念が広がっていました。
また、その後にユーザーからの報告によって Essential Space の月間使用制限があることも確認されたことが、さらに憶測を呼んでいました。

Carl Pei 氏 :「現在の機能で料金は発生しない」
こうした憶測に対し、Nothing の CEO である Carl Pei 氏が社内インタビュー動画で価格設定について言及し、現状の方針を明らかにしました。
現行機能は無料で提供
Pei 氏はアプリ内部で見つかった価格に関する記述は、開発段階で残ってしまった古いコード (zombie strings) であり、製品版のソフトウェアに含まれるものではないと説明しました。
その上で、「少なくとも現在の機能範囲において、料金を請求することはない」と明言し、現在の Essential Space は無料で利用できることを改めて強調しました。
将来的な「プレミアムティア」の可能性
一方で、同氏は将来的に高機能な「プレミアムティア (有料版)」を導入する可能性も示唆しました。ただし、それはユーザーが「実質的な価値を得られる」レベルの機能が実現できた場合に限られるとしています。
また、現在の Essential Space の完成度はまだ 10% 程度であり、残り 90% の開発が残っているプレビューモードのような状態だと述べています。そのため、現状の機能で料金を請求することはないとの考えを示しました。
まとめ
今回の Nothing の発表をまとめると、以下のようになります。
- 現状の Essential Space は無料で利用できる
- アプリ内で見つかった価格情報は、開発中の古いものであり、実際の請求を意味するものではない
- 将来的に、より高機能な有料版 (プレミアムティア) が登場する可能性はある
- ただし、それは大幅な機能強化が実現した場合に限られる
Nothing Phone (3a) や Phone (3a) Pro のユーザー、また 7 月 1 日に発表が予定されている Nothing Phone (3) の購入を検討しているユーザーは、当面の間、Essential Space の機能を無料で安心して利用できそうです。今後は、将来登場するかもしれない「プレミアムティア」がどのような付加価値を持つ機能になるのか注目されます。
出典: 9to5Google, YouTube (Nothing CEO talks Phone (3) | Nothing TV)