Google は 2025 年 6 月 17 日(現地時間)、Google フォームの回答に関する新しい管理者向け設定を導入したことを発表しました。
このアップデートにより、管理者は Google ドライブの共有設定とは独立して、フォームの回答共有をより詳細に制御できるようになり、組織のデータセキュリティを強化できます。
新しい管理者向け設定の概要
今回のアップデートで、管理者は以下の2つの設定を個別に制御できるようになりました。
- 組織内のユーザーが外部で作成されたフォームに回答できるか
- 組織内のユーザーが作成したフォームを外部のユーザーと共有できるか
昨年発表された、フォーム作成者が回答アクセスを特定のユーザーやグループに制限できる機能に続き、今回の管理者向け設定が追加された形です。
これにより、管理者は Google ドライブの既存の共有制限とは別に、Google フォームに特化したセキュリティ対策を講じることができ、データ漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能になります。
設定方法
これらの新しい設定は、デフォルトで有効になっており、組織部門(OU)単位で適用することができます。
組織外からの回答の受け入れ
組織内のユーザーが所有するフォームが、組織外のユーザーからの回答を受け入れるかどうかを制御します。
- 設定場所: [管理コンソール] > [アプリ] > [Google Workspace] > [ドライブとドキュメント] > [共有設定] > [フォームの回答]
- 設定項目: 外部との共有が許可されていない場合であっても、[組織] のユーザーが所有するフォームで、[組織] の外部のリンクを知っている人からの回答を受け入れることができるようにします
- 有効の場合: フォームの所有者は、ドライブの共有設定で「リンクを知っている全員」への共有が制限されていても、フォームの回答を外部から受け付けることができます。
- 無効の場合: Google ドライブの外部共有設定がフォームにも適用されます。これにより、フォーム所有者はフォームを外部ユーザーと共有できなくなる可能性があります。
組織外フォームへの回答
もう一つの設定は、組織内のユーザーが、組織外で作成されたフォームに回答できるかどうかを制御します。
- 設定場所: [管理コンソール] > [アプリ] > [Google Workspace] > [ドライブとドキュメント] > [共有設定] > [フォームの回答]
- 設定項目: 外部ファイルの受信が許可されていない場合でも、[組織] のユーザーが [組織] 外のユーザーまたは共有ドライブからのフォームへ回答を送信することを許可します
- 有効の場合: 組織内のユーザーは、引き続き外部で作成されたフォームに回答できます
- 無効の場合: ドライブの外部ファイル受信設定がフォームにも適用され、組織内のユーザーは外部フォームへの回答がブロックされる可能性があります
詳細については、ヘルプセンターの「組織の外部共有を管理する」をご確認ください。
なお、筆者の Google Workspace アカウントでは同設定が追加されていました。以下はその画面のスクリーンショットです。

展開と対象ユーザー
即時リリースおよび計画的リリースドメインに対して、2025 年 6 月 17 日から最大 15 日かけて段階的に展開されています。すべての Google Workspace ユーザーが利用可能です。
なお、この変更はエンドユーザー向けの設定はなく、管理者のみが対象となります。
まとめ
今回のアップデートにより、Google Workspace 管理者は、Googleフォームの利用に関するセキュリティポリシーを、より柔軟に設定できるようになりました。特に、フォームを使って情報収集をする機会が多い組織や、データ漏洩対策を強化したいと考えている管理者にとっては重要な変更となります。