MediaTek の次期 ARM プロセッサ「MT8189」を搭載する Chromebook の開発が活発に進められており、前回報告された 5 つの開発ボードに加えて、新たに 6 番目となる「Baze」が加わったことが報告されました。
この情報は Chrome Unboxed によるもので、「Baze」は MT8196 を搭載してテストされている「Skywalker」ベースボードから派生した新しい Chromebook となります。
6番目の開発ボード「Baze」が登場
「Skywalker」は、MediaTek の新しい ARM チップセットである MT8189 を ChromeOS に搭載するために使用される基礎となる開発ボードです。これをベースとして、各メーカーが独自の Chromebook モデルを開発します。

これまで、この「Skywalker」からはスター・ウォーズのキャラクター名にちなんだ「Obiwan」、「Luuke」、「Yoda」、「Anakin」、「Quigon」という 5 つの開発ボードの存在が確認されていました。
今回、Chromium Gerrit から新たに6番目のボードとして「Baze」が発見されました。「Baze」という名前は、映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」に登場するキャラクター、ベイズ・マルバスに由来しており、これまでの命名規則が引き継がれています。

テンキー付き、コンバーチブルの可能性
Chrome Unboxed では触れられていませんが、筆者が「Baze」の組み込みコントローラ(EC)に関する設定ファイルを調査したところ、デバイスの具体的な形状に関するいくつかのヒントが見つかりました。

上記のコードのうち、LID_ANGLE
に関する設定は、ヒンジが360度回転するコンバーチブルタイプ(2-in-1)のデバイスで、天板の角度を継続的に計算するために使用されるものです。
また、KEYBOARD_KEYPAD
という設定は、ファームウェアにテンキー(数値キーパッド)のサポートを組み込むことを指示しています。
これらの情報から、「Baze」はテンキーを搭載した大型(おそらく 15.6 インチ以上)のコンバーチブル Chromebook になる可能性が考えられます。
多数の開発ボードが意味するもの
MediaTek 「MT8189」は、現在「Lenovo Chromebook Duet 11」などに搭載されている「Kompanio 838 (MT8188)」から、性能と効率が大幅に向上することが期待される新しいチップです。
過去の MediaTek 製チップのベースボードから実際に市場投入されるデバイスは数機種でしたが、今回「Skywalker」ファミリーからすでに 6 つもの開発ボードが登場している点は非常に重要です。
これは、多くのメーカーが「MT8189」に強い関心を示し、積極的にデバイス開発を進めていることを強く示唆しています。
まとめ
6番目の開発ボード「Baze」の登場は、高性能かつ電力効率に優れた ARM 搭載 Chromebook が今後、多様なフォームファクターで登場する可能性を示す嬉しいニュースです。
現時点ではまだ推測の段階ですが、コード上の情報からは「Baze」がテンキー付きの大型コンバーチブル Chromebook となる可能性が示唆されています。MT8188 搭載機とは異なり、MT8189 を搭載した Chromebook は、より幅広い選択肢を提供してくれることになりそうです。