Google は 2025 年 6 月 17 日（米国時間）、AI モデル「Gemini 2.5 Pro」を一般ユーザーおよび開発者向けに正式リリースしたことを発表しました。
これにより、2.5 Pro は Gemini アプリのモデルピッカーから「プレビュー」の表示が外されます。また、同時に「Gemini 2.5 Flash」も正式版として一般提供が開始され、さらに「Gemini 2.5 Flash-Lite」のプレビュー版も発表されました。
Gemini 2.5 Pro の正式リリースと利用状況
Gemini 2.5 Pro は、3 月に試験運用が開始され 、当初は有料プランユーザーと開発者向けに提供されていましたが、数日後には無料ユーザーにも提供が拡大されました。5 月には大幅なコーディング機能のアップグレードが行われ 、6 月上旬に最終更新が行われた後 、今回の正式リリースに至っています。
Google によると、今回の安定版は 6 月 5 日のプレビュー版から変更はないとのことです。Gemini アプリでは、Pro は「推論、数学、コード」のプロンプトに適しており、複雑なデータ分析や、大規模なコード生成、高度な数学的問題の解決など、高度な推論能力を必要とする場面で真価を発揮します。
一方、Flash は「高速なオールラウンドなヘルプ」に適しており、日常的な質問への迅速な回答、短いテキストの要約、アイデア出しなど、素早い応答性と汎用性が求められるシーンで活躍すると説明されています。
Gemini アプリの無料ユーザーは引き続き 2.5 Pro に「限定的にアクセス」できますが 、AI Pro プランのユーザーは 1 日あたり 100 回のプロンプト、つまり「拡張されたアクセス」が可能です。最上位の「Google AI Ultra」では「最高のアクセス」が提供されます。
Gemini 2.5 Flash の一般提供と新たな料金体系
Gemini 2.5 Flash も開発者向けに一般提供が開始され、安定版となりました。これは I/O で発表された5月20日のプレビューモデルと同じですが、料金体系が更新されています。
- 入力トークン: 100万トークンあたり $0.30 (以前の $0.15 から上昇)
- 出力トークン: 100万トークンあたり $2.50 (以前の $3.50 から下降)
思考と非思考の価格差は廃止され、入力トークンサイズに関わらず単一の価格帯が維持されます。
新たなモデル「Gemini 2.5 Flash-Lite」のプレビュー
Google はさらに、「高ボリュームで低レイテンシのタスク（翻訳や分類など）」に特化した「Gemini 2.5 Flash-Lite」のプレビュー版を公開しました。このモデルは、コストを最優先する用途向けに設計されています。Google は 2.0 Flash-Lite や 2.0 Flash と比較して、幅広いプロンプトで「低レイテンシ」を実現していると強調しています。
Flash-Lite はデフォルトで思考機能がオフになっていますが、予算を設定することで有効にできます。利用可能なネイティブツールには、「Google Search との連携、コード実行、URL コンテキスト、関数呼び出し」が含まれます。また、マルチモーダル入力と 100 万トークンのコンテキスト長にも対応しています。
2.5 Flash-Lite は、コーディング、数学、科学、推論、マルチモーダルの各ベンチマークにおいて、2.0 Flash-Lite よりも全体的に高い品質を示しています。
これらのベンチマークは、モデルが特定のタスク（例えば、複雑なプログラミング問題の解決や、科学的データの解釈、複数の情報源からの推論など）をどれだけ正確かつ効率的に実行できるかを示す指標となります。
まとめ
今回のリリースにより、Spline や Rooms といった開発者、Snap や SmartBear といった組織が、すでに最新バージョンを本番環境で利用しているとのことです。
Gemini 2.5 Flash-Lite のプレビュー版は Google AI Studio および Vertex AI で利用可能で、2.5 Flash と 2.5 Pro の安定版も提供されています。両モデルは Gemini アプリからもアクセスできます。さらに、Search には 2.5 Flash-Lite と Flash のカスタムバージョンが導入されています。
出典: Google
