Google は最近の Google Play 開発者サービスのアップデートにより、Android スマートフォンで利用できる地震警報機能を、新たに Wear OS を搭載したスマートウォッチでも利用できるようにしていることが報告されました。
この機能拡張は、2025 年 6 月の Google Play 開発者サービス v25.21 に記載されたもので、提供が間近であることが示唆されています。今年初めには、アプリの APK 分解によってこの機能の導入への取り組みが発見されており、今回の公式な変更履歴への記載は、その実装が本格化していることを裏付けるものです。
Android の地震警報システムの仕組み
Google が 2020 年から提供している Android の地震警報システムは、世界中に存在する数百万台の Android スマートフォンに搭載されたセンサーをネットワーク化して活用するものです。
地震発生時にまず到達する初期微動(P 波)を検知し、その情報をサーバーが解析。より大きな揺れをもたらす主要動(S 波)が到達する前に、周辺地域のユーザーへ警告を発信します。このシステムは完璧ではありませんが、安全を確保するための貴重な数秒間の猶予を生み出すことを目的としています。

スマートウォッチで警報を受け取るメリット
この機能が Wear OS に拡張されることで、ランニング中などでスマートフォンが手元にない状況でも、タイムリーに警報を受け取れるようになります。特に、単体で通信できるセルラーモデルのスマートウォッチの利用者にとっては、大きなメリットとなります。
スマートウォッチの画面には、スマートフォンへの通知と同様に、推定される地震のマグニチュードや震源地からの距離といった情報が表示されると見られています。
日本での利用について
ただし、Google が提供する「Android 地震アラート システム」は、現時点では日本では利用できません。
これは、日本には国が整備した「緊急地震速報(EEW)」という非常に高度なシステムが既に存在するためです。日本の携帯電話事業者は、国内で販売する全てのスマートフォン(Androidを含む)に、この緊急地震速報を受信する機能を標準で搭載しています。
そのため、今回の Wear OS の新機能が日本の EEW システムと連携する形で搭載されるかは不明であり、スマートフォンで Google のシステムが利用できない現状を考えると、Wear OS でも利用できない可能性が高いと思われます。
まとめ
日本においては既存の緊急地震速報システムがあるため、この機能が提供されるかはわかりませんが、Android スマートフォンの重要な安全機能が Wear OS に拡張されることは、ユーザーにとって歓迎すべきアップデートです。
Googleか らの正式な展開発表はまだありませんが、Play 開発者サービスの変更履歴に記載されたことから、対象国・地域での機能提供はそう遠くないと期待されます。