Google は 2025 年 6 月 11 日(米国時間)、Chromebook などサポートされる ChromeOS および ChromeOS Flex デバイスに向けて ChromeOS 137 安定版をリリースしました。このアップデートは今後数日かけて、順次展開される予定です。
今回のアップデートにより、Chrome ブラウザのバージョンは 136.0.7103.158 から 137.0.7151.86(プラットフォームバージョン: 16267.43.0)へと更新されます。
cros.tech におけるアップデート状況を確認したところ、特に遅れの目立つデバイスはなさそうです。筆者の Chromebook Plus デバイスなども問題なくアップデートされました。
このアップデートの内容は、Chromebook コミュニティへの投稿で紹介されていますが、そのほとんどは管理者向けの機能強化が中心となっています。一部、オーディオの改善などが一般ユーザー向けとなります。
なお、今回の変更には Chrome 137 における管理者向けのリリースノートで公開されていた内容も含まれています。詳しくは こちらの記事 をご覧ください。
ChromeOS 137 の変更点
以下は、ChromeOS 137 で導入された Chromebook に関連した変更点です。
「顔コントロール」の管理ポリシー
ChromeOS 137 では、新たに追加された FaceGazeEnabled ポリシーにより、管理者が組織内のデバイスにおける顔による操作(Face Control)へのアクセスを制御できるようになりました。
これにより、学校や企業などの組織で、必要に応じてこの機能の利用を許可または制限するといった、より細かい管理が可能になります。
クロストーク キャンセレーションによるオーディオ体験の向上
内蔵スピーカーのオーディオ体験を向上させる「クロストーク キャンセレーション」機能が追加されました。
この機能により、ユーザーはスピーカーの物理的な位置から音が聞こえるのではなく、まるでヘッドホンを装着しているかのように、頭の周りを音が取り囲むような、より没入感のあるオーディオ体験を得ることができます。
特に、空間オーディオに対応したゲームや動画の視聴時に効果を発揮し、あらゆる方向からの音を感じられるようになります。
ChromeVox と点字ディスプレイの連携強化
スクリーンリーダー機能「ChromeVox」が強化され、接続された点字ディスプレイ(USB または Bluetooth)に、読み上げられたテキストをキャプションとして表示するコマンドが追加されました。
- ChromeVox コマンド:
Search + O + C
- 点字コマンド:
space + dots 1-4-7
この機能により、視覚に障碍を持つユーザーのアクセシビリティがさらに向上します。
イベントベースのログ収集(管理者向け)
管理者向けの機能として、イベントベースのログ収集機能が導入されました。OS のクラッシュやアップデートの失敗といった特定のイベントが発生すると、デバイスの詳細ページに通知が表示されます。
管理者は、イベントが発生した日時や詳細情報を確認でき、Google に関連ログがアップロードされることで、問題解決の効率化が期待できます。この機能を利用するには、以下の設定を有効にする必要があります。
- デバイスのシステムログのアップロード
- デバイスの OS 情報の報告(OS アップデートステータス)
- デバイスのテレメトリー レポート(クラッシュ情報)
なお、ログのアップロードは、1台のデバイスにつき1日2回までという制限があります。
まとめ
今回の ChromeOS 137 アップデートは、管理者向けの管理機能強化が主な内容となりました。
管理者向けのイベントベースのログ収集は、多くのデバイスを管理するしている場合のトラブルシューティングを効率化する上で役立つ機能になりそうです。一般ユーザーにとっては、内蔵スピーカーで空間オーディオに似ている「クロストーク キャンセレーション」が最も分かりやすい変更となります。