Google は、AI ビデオ作成アプリ「Google Vids」において、最新の AI モデル「Veo 3」を利用して、音声付きの動画クリップを生成できるようになったことを発表しました。これは、先月発表された Veo 2 による動画生成機能をさらに強化するものです。
これにより、ユーザーはより高品質でリアルなサウンドを含む 8 秒間の動画を、Google Vids 内で直接作成できます。
Veo 3 で音声付き動画が生成可能に
これまで Google Vids では、AI モデル「Veo 2」を利用して高品質なカスタム動画クリップを生成できましたが、今回のアップデートで最新モデルの「Veo 3」が導入されました。
Veo 3 は Veo 2 の機能をさらに強化し、より高品質でリアルな音声を含む最大 8 秒間の動画を生成することが可能になります。
Veo 3 の使い方
Veo 3 を利用した動画生成の手順は以下の通りです。
- Google Vids を開きます。
- Vids エディタの右サイドバーにある「Generate video (動画を生成)」アイコンに移動します。
- 「Veo 3」を選択します。
- プロンプト(指示文)を入力し、「Create (作成)」をクリックします。
- プレビューが表示され、問題がなければ「Insert (挿入)」を選択すると、生成されたコンテンツが Vids のプロジェクトに直接追加されます。

ただし、記事執筆時点では AI 機能は英語でのみ利用できます。
プロンプトの例
Google は、この機能の活用方法としていくつかのプロンプト例を挙げています。
- 安全トレーニング:
- プロンプト例: 「会社の安全ビデオのイントロを話す、ネオン グリーンの安全ベストを着た作業員。作業用のトラックが住宅街の道路脇に駐車されている。彼はカメラに向かって直接話す。『フィールド技術者トレーニングへようこそ。このコースでは、当社のネットワーク インフラストラクチャで安全に作業するためのスキルを習得します』」
- 製品デモ:
- プロンプト例: 「山の夕暮れのキャンプ場で、太陽光発電式の懐中電灯を持った広報担当者が話す。『こんにちは。Cymbal Outdoor Goods の新しい太陽光発電式懐中電灯でよくある問題のトラブルシューティング方法を説明します』」
- 従業員へのお知らせ:
- プロンプト例: 「オフィスパークを歩きながら、Cymbal banking が従業員向けに開始する新しい教育費払い戻し制度について興奮気味に話す同僚たち。」
動画の仕様とその他の詳細
Veo 3 によって生成される動画の基本的な仕様は以下の通りです。
- 長さ: 8 秒
- 解像度: 720p
- フレームレート: 24fps
- アスペクト比: 16:9 (横長)
生成された動画の音声が不要な場合は、動画を挿入した後にフローティングツールバーのサウンドアイコンをクリックし、「Mute (ミュート)」のチェックボックスをオンにすることで音声を消すことができます。
現在、Google Vids の AI 機能(「Help me create」など)は英語のみの対応となっていますが、Vids 自体はユーザーのローカル言語で利用可能です。
リリーススケジュールと対象プラン
この機能は、2025 年 6 月 9 日から最大 15 日間かけて段階的に展開されます。利用可能な Google Workspace のエディションは以下の通りです。
- Business Starter, Standard, Plus Enterprise Starter, Standard, Plus
- Essentials, Enterprise Essentials, Enterprise Essentials Plus
- Nonprofits
- Google AI Pro, Ultra
- Gemini Business, Gemini Enterprise, Gemini Education, Gemini Education Premium の各アドオンを利用しているユーザー
まとめ
今回のアップデートにより、Google Vids は単なるビデオ編集ツール以上の便利なクリエイティブツールへと進化しました。プレゼンテーションやトレーニング、簡単な製品紹介など、様々なビジネスシーンで高品質な動画を手軽に作成できるようになり、作業の効率化が期待できます。
とはいえ、現時点では AI 機能の利用は英語に限られていますので、日本語対応にも期待です。