Google ウォレットが「近くのパスを通知」する機能が追加。複数のアップデートも発表

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Google I/O 2025 では、Google ウォレットおよび Google Pay の利便性を向上させる複数の新機能が発表されました。特に注目されるのは、Google ウォレットに追加される「Nearby Passes notifications (近くのパスを通知)」機能と、デザインが刷新される Google Pay の支払いシートです。

目次

Nearby Passes notifications (近くのパスを通知)

Google ウォレットに、ユーザーが特定の場所の近くにいることを検知して関連情報を通知する「近くのパスを通知 (Nearby Passes notifications)」する機能が追加されます。この機能は、ポイントカード、クーポン、搭乗券、イベントチケットなど、様々なパスに対応しています。

Google ウォレットの Nearby Passes notifications の通知表示デモのスクリーンショット
Google ウォレットの Nearby Passes notifications の通知表示デモ

例えば、ウォレットにポイントカードを保存しているコーヒーショップに近づくと、その店のポイントカードが通知され、画面をワンタップするだけでポイントカードを素早く提示できるようになります。コンサート会場の近くにいれば、入場に必要なチケットが自動的に通知されるといった活用も可能です。これにより、アプリを開いて目的のパスを探す手間が省けます。

この「Nearby Passes notifications」機能は、デフォルトではオフになっており、利用を開始するにはユーザーによる有効化が必要です。

通知のオン・オフは、ウォレットアプリ内の各パスの詳細画面(例:「このポイントカードの通知を受け取る」)や、システムの通知設定にある「周辺パス通知チャンネル (Nearby Passes Notifications Channel)」から、パスごと、または機能全体としてユーザーが自由にコントロールできます。

Google ウォレットの Nearby Passes notifications の通知設定画面のスクリーンショット
Google ウォレットの Nearby Passes notifications の通知設定画面

ただし、この機能が全てのパスですぐに利用可能になるわけではない点には注意が必要です。一部のパスでは、開発者がパスを利用できるジオフェンス(仮想的な地理的境界)を指定する必要があるため、対応状況はパスによって異なる可能性があります。

その他のアップデート

今回の Google I/O 2025 の発表では、ユーザー向けの機能だけでなく開発者向けの機能などを含め、様々な変更と機能のアップデートなどが明らかにされています。

Google Pay 支払いシートのデザイン刷新

サードパーティ製アプリで支払いを行う際に表示される Google Pay の支払いシートも、より直感的で使いやすいデザインに刷新されます。Google I/O 2025 で発表された主な変更点として、周囲のアプリとの親和性を高めるダークテーマの導入が挙げられます。

さらに、カードの識別性を向上させ、より迅速なカード選択を可能にするため、「リッチなカードアートと名前」の表示に対応します。これらの改善は、既に一部のデバイスで展開が始まっています。

Digital ID とゼロ知識証明

Google は「ゼロ知識証明」を活用した新しい年齢確認の方法を提案しています。これは、ユーザーの具体的な生年月日といった個人情報を明らかにすることなく、年齢条件を満たしていることだけを証明できる技術で、プライバシー保護の観点から注目されます。Google は、このゼロ知識証明に関連するライブラリをオープンソースとして公開する予定です。

この機能は現在、Android アプリでは Credential Manager Jetpack ライブラリを通じて、またモバイルウェブでも利用可能です。デスクトップ版 Chrome での対応もテストが進められており、QR コードを介してデスクトップ版 Chrome と Android デバイス間でシームレスに連携するデモンストレーションも行われました。

パスへの関連情報表示

ポイントカードやチケットなどのパスのデザインも強化され、パスの下部や全画面表示のフィードに、「関連するお得な情報、プロモーション、追加サービス」といった補足情報を表示できるようになります。これにより、例えば限定クーポンやアップグレードの案内などを提示し、ユーザーを企業のアプリやウェブサイトへ効果的に誘導することで、継続的な顧客エンゲージメントを促進します。

自動連携パスのアップデート

「自動連携パス (Auto Linked Passes)」機能も改善されます。これにより、例えば航空会社がフリークエントフライヤープログラム(FFP)のポイントカードを提供している場合、会員であるユーザーがフライトのオンラインチェックインを完了すると、搭乗券が自動的に Google ウォレットにプッシュ通知され、追加されるようになります。

ユーザー写真付きパス

新たに、ユーザーのプロフィール画像を含むパスを作成する機能が追加されます。デジタル名刺、会員証、イベントチケットなどで、顔写真を表示させるといった活用が見込まれます。ただし、Google はこの機能について、「公式な身分証明のためのものではない」と注意を促しています。

まとめ

Google I/O 2025 で発表された Google ウォレットの新機能は、ユーザーの日常的な利便性と体験の向上に焦点を当てたものとなっています。特に「近くのパスを通知」する機能や刷新された「支払いシート」などは、ユーザーに直接影響するものです。

ただし、これらの機能がいつリリースされるかについては明らかにされていません。ウォレットの機能は地域や言語などで導入までの差がある可能性があります。

出典: 9to5Google, Android Authority

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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