Google の AI モデル「Gemini」のカスタム指示機能である「Gem」について、ユーザー間で直接 Gem を共有できる機能が近いうちに提供される可能性が報告されました。現状の Gemini アプリでは Gem 自体の共有ができず、多くのユーザーから改善を求める声が上がっています。
Gemini Gem とは?現状は共有できない
Gemini の Gem 機能は、2025年3月に無料版にも提供が拡大された、AI の振る舞いを定義するカスタムプロンプトテンプレートです。ユーザーは独自の Gem を作成できますが、チームメンバー等と直接共有することはできず、チャット履歴の共有のみ可能でした。
この制約に対し、Google ヘルプコミュニティでは4月中旬、ユーザー KelsieRS 氏から「営業支援チームで同じ Gem を使いたい」、「チームで一貫したトレーニングコンテンツを同じ AI ボットから作成できるように、Gem 全体を共有したい」といった要望が投稿されています。
これに対し Google のプロダクトエキスパートは、現状のエンタープライズワークスペース内での共有は不可能とし、代替案として回答をスライドや Vids にエクスポートする方法を提示しました。
共有機能への高まる期待と競合との比較
この件に関するスレッドには多くのユーザーから「+1」と賛同の声が寄せられ、特に OpenAI のカスタム GPT がクリック一つで共有できるのに対し、Gem が依然として制限されていることに不満の声が上がっています。
この共有機能の欠如について、多くの企業のエンジニアチームや営業支援チーム、大学の研究室などからも Google にアプローチの見直しを求める声が出ていました。
共有機能実装の可能性
しかし、3 月初めに Google Cloud コミュニティのスタッフメンバーが「(Gem の共有は)現時点では不可能ですが、ロードマップには含まれています。ご期待ください!」とコメントし、進展を示唆しました。

さらに 5 月初めには TestingCatalogue が、Gemini の Web インターフェースの Gem マネージャー内に新しい共有ボタンを発見したと報じました。
この発見は、Google がユーザーから数ヶ月にわたり要望のあった共有機能を実際に開発していることを強く示唆しています。内部コードからは、リンクによる共有オプションや、共有範囲を「リンクを知っている全員」にするか「自社のドメイン内のみ」に制限するかといった、詳細な権限設定が可能になる可能性も示されています。

これは、Google ドキュメントやスライド、そしてカスタム GPT で既に見られる柔軟な共有モデルと同様のものを目指していると考えられます。
まとめ
この共有機能がいつ、どのユーザー層(個人ユーザーか、Google Workspace ユーザーか、あるいはその両方か)に最初に提供されるかはまだ不明です。
Gemini の Gem 共有機能は、主にビジネスで活用しているユーザーには待望の機能の一つとなります。この機能が実装されれば、チームで Gemini を活用する際の利便性は大きく向上するはずなので、正式発表に期待です。