Spotify は、ポッドキャストのエピソード再生数を公開する機能について、ユーザーからの反発を受け、表示方法を一部変更したことを発表しました。今後は、エピソードの再生数が 5 万回を超えた場合にのみ、「50K plays」といった形で表示されるようになります。
変更の経緯と内容
Spotify が先日導入したポッドキャストの再生数を公開する機能は、多くのポッドキャスターから批判の声が上がっていました。これを受け、同社は機能の一部撤回を決定しました。
新しい仕様では、エピソードの再生数が 5 万回に達すると、「50K plays」というマーカーが表示されます。このマーカーは、その後 10 万回、100 万回といったマイルストーンを超えるごとに更新される予定です。再生回数が 5 万回に達するまでは、エピソードには再生回数を含むマーカーは表示されません。
一方で、ポッドキャスター自身は、引き続き自身のダッシュボードで正確な再生数を確認することができます。これにより、番組の人気度を詳細に把握することは引き続き可能ですが、その数値が一般に公開されることによるプレッシャーは軽減されることになります。
再生数カウントの曖昧さとポッドキャスト業界の課題
Spotify は再生数の正確なカウント方法について、「ユーザーが積極的にコンテンツを試した回数を表す」とのみ説明しており、具体的な基準は明らかにしていません。
ポッドキャスト業界では、従来からリスナー数の正確な把握が難しいという課題がありました。例えば、エピソードがダウンロードされたとしても、それが必ずしも最後まで聴取されたことを意味するわけではありません。また、既存の公開チャートは、多くの場合、大手や人気番組に有利な傾向があります。
さらに、コンテンツクリエイター、特に活動を始めたばかりのクリエイターにとっては、実際のファン数にかかわらず、あたかも多くのフォロワーがいるかのようにコンテンツを発信し続けなければならないという、特有の難しさも存在します。誰もいないのに、誰かいるように話すというのはなかなかハードルが高いことは事実です。
今回の Spotify の再生数表示機能は、一部のクリエイターにとっては「誰も求めていなかった機能」と受け止められたかもしれません。
まとめ
Spotify が導入を発表した機能が撤回されるというのも珍しいですが、再生数が一定の数字を超えた場合にのみ公開するという形式は、小規模な番組や駆け出しのクリエイターにとっては、プレッシャーに感じる要素が減るため良い修正になったと思います。
しかしながら、再生数の具体的なカウント方法が依然として不透明である点や、ポッドキャスト業界全体のリスナー数測定の難しさといった根本的な課題は残されています。今後の Spotify がどのような対応をするか、また YouTube などの競合プラットフォームとどう差別化していくかにも期待ですね。