Google は、Wear OS スマートウォッチ向けの次期メジャーアップデート Wear OS 6 で、AI アシスタント「Gemini」と新しいデザイン言語の「Material 3 Expressive」を導入することを発表しました。これらの変更は Wear OS スマートウォッチに今後数ヶ月以内に提供される予定です。
Gemini が Wear OS に導入
従来の Google アシスタントと比較して、Gemini はより自然な言葉での指示に対応できる点が大きな特長です。正確な言い回しにこだわる必要がなく、日常会話に近い形でスマートウォッチに話しかけることが可能になります。
Gemini に置き換わっても Google アシスタントと同様に、スマートフォンがすぐに取り出せない状況でも、タイマーやリマインダーなどはスマートウォッチの Gemini 経由で設定が可能です。
さらに、Gemini は Gmail や Workspace 内の情報といったアプリや拡張機能にもアクセスできます。例えば、「今夜エミリーがメールで送ってきたレストランはどこ?」といった質問を手首のデバイスに問いかけるだけで、ワークアウトを中断してスマートフォンを取り出すことなく、必要な情報を得ることができます。
また、応答は音声読み上げだけでなく、テキストや画像で表示することも可能になります。
デザインとパフォーマンスの向上
Wear OS 6 では、Material 3 Expressive のデザインが採用され、円形ディスプレイに最適化された流体的なデザインが実現されます。スクロールアニメーションはディスプレイの曲線に沿って動き、リスト表示は奥行きを感じさせることで情報にアクセスしやすく感じさせます。
また、メディアコントロールなどもモーションとレスポンシブフィードバックによって刷新されます。さらに、ウォッチフェイスで選択したテーマがシステム全体に適用されるダイナミックカラーテーマも導入されます。
ボタンはディスプレイの端に沿って伸びるデザインとなり、省スペースかつタップしやすくなります。タイルもデザインが刷新され、お気に入りの連絡先へのテキスト送信やエクササイズの開始など、重要な情報やアクションへ素早くアクセスできるようになります
パフォーマンス面では、Wear OS 6 によりバッテリー寿命が最大 10% 向上するとしています。
Google は、Android 16 および Wear OS 6 デバイスに向けて、パートナー企業と共にさらなるデザイン改善に取り組んでいます。これらのアップデートは、今年後半に Pixel デバイスで先行して試すことができます。
まとめ
今回の Wear OS への Gemini 搭載は、Google が進める AI 中心の Android 再構築の一環です。スマートフォンでのボタン一つでの AI アシスタント起動に始まり、Gemini Live のカメラ・画面共有機能(Advanced サブスクリプション不要)など、Gemini の便利な機能は既に世界中の何十億もの Android デバイスで利用可能です。
今後は、Wear OS に加えて、Android Auto や Android Automotive、Google TV、さらには Samsung と共同開発中の新しいプラットフォーム Android XR を搭載したヘッドセットやメガネなど、あらゆる Android デバイスへと Gemini の展開が予定されています。
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