MediaTek は、4G スマートフォン向けプロセッサーの新ラインナップとして、Helio G200 を発表しました。しかし、一部の機能向上を除くと、その仕様は前世代の Helio G100 からのマイナーアップデートとなります。
Helio G200 の主な仕様と新機能
Helio G200 の基本的なアーキテクチャは Helio G100 を踏襲しています。CPU は、最大 2.2GHz で動作する 2 つの Cortex-A76 コアと、最大 2.0GHz で動作する 6 つの Cortex-A55 コアで構成されるオクタコアです。これは Helio G100 と全く同じ構成です。
GPU については、Mali-G57 GPU を搭載し、動作クロックは G100 の 1.0GHz から G200 では 1.1GHz へとわずかに向上しています。メモリとストレージのサポートも変更なく、LPDDR4X RAM (最大 4266Mbps) と UFS 2.2 ストレージに対応します。
ディスプレイ解像度は最大 2520 x 1080、リフレッシュレートは最大 120Hz をサポートし、MediaTek の Intelligent Display Sync 技術により、電力効率の向上が図られています。カメラは、最大 200MP のシングルカメラ、またはデュアル 16MP センサーに対応します。
また、Helio G100 からの主な変更点として、以下の2つの新機能が挙げられます。
- 12-bit DCG (Dual Conversion Gain) のサポート: これにより、より高品質な HDR ビデオ撮影が可能になります。MediaTek は、カメラアプリケーション開発者との協力により、消費電力を最大 20% 削減したとも主張しています。
- 4G DC SAR テクノロジー: 電波の弱い場所でのソーシャルアプリやメッセージングアプリの体験を向上させる新技術です。MediaTek によると、この技術により遅延が最大 30% 削減され、接続範囲が最大 83% 拡大するとのことです。

Helio G200 のパフォーマンス
MediaTek は、Helio G200 と Helio G100 の直接的な性能比較を避け、「競合他社の代替プラットフォーム」と比較した場合の優位性を強調しています。同社によると、Helio G200 は AnTuTu ベンチマークで 35% 以上、Geekbench のシングルコアで 40%、マルチコアで 20% 高速であり、GPU パフォーマンスは 75% 高速、ゲーム時の電力効率は 30% 向上しているとのことです。
なお、Helio G100 の Geekbench 6 のベンチマークスコアは、シングルコアが 730 前後、マルチコアが 2000 前後というところです。大きく仕様が変わらないため、Helio G200 も同程度になることが予想されます。
最近、中国メーカーの Android タブレットなどに採用される Helio G99 もほぼ同等のスコアなので、イメージはしやすいかもしれません。
まとめ
Helio G200 は、Helio G100 をベースに、GPU クロックのわずかな向上、いくつかの電力最適化、12-bit DCG と 4G DC SAR テクノロジーなどが追加されましたが、大きなアップグレードはなく、マイナーアップデートという印象が拭えません。
おそらく、手頃な価格帯のスマートフォンに搭載されるものと思われますが、Helio G200 を搭載したデバイスの発売時期については、現時点では発表されていません。
出典: MediaTek