Google Workspace ユーザーは、最新の動画生成 AI モデルである Veo 2 を使用して、Google Vids で高品質なカスタム動画クリップを生成できる新機能が搭載されました。これにより、Workspace ユーザーは Vids 内で直接、プロンプトを入力するだけで、リアルな動きと多様なスタイルを持つ動画クリップを作成できます。
新機能の概要
Google Vids は、Google Workspace 上で利用できる、AI を活用した動画作成支援ツールです。専門的な編集スキルがなくても、ドキュメント作成のように手軽に、かつ素早くビジネス向けの動画コンテンツを制作することを目的としています。
これまで、Google Vids は動画作成の複雑さや手間を解消するため、AI を活用した多くの機能を提供してきました。今回 Veo 2 を統合することで、さらに手軽な動画作成が可能になります。
ユーザーは、Vids エディタの右サイドバーにある「動画を生成」アイコンをクリックし、作成したい動画の内容をプロンプトとして入力後、「作成」をクリックするだけで、プレビューが表示されます。「挿入」を選択すると、生成された動画クリップが Vids プロジェクトに直接追加されます。

Veo 2 と Vids による活用例
Veo 2 は、リアルな動きと多様なスタイルを生成できるため、既存のコンテンツを補足し、より強力なストーリーを伝えることができます。以下はその活用例とプロンプト例です。
- マーケティングチーム: ブランドストーリーテリング用のカスタムアセットを作成
- プロンプト例: 「洗練されたダークメタリック仕上げの最先端の空気力学的自動運転車が、曲がりくねった海岸沿いの高速道路を楽々と滑走する」
- 学習開発マネージャー: 安全トレーニングモジュールを視覚的に説明
- プロンプト例: 「コロラド州の美しい自然景観の中、携帯電話の電波塔の上で作業している 2 人の技術者の広角パンショット」
- 教育者: 概念を視覚的に説明
- プロンプト例: 「飛行機の翼の周りを漂う色付きの塵が空気力学を示す」
利用可能なユーザー・エディション
この機能は、Google Vids のエンドユーザーが利用でき、Veo 2 は追加費用なしで、Vids 内で直接動画クリップを生成することができます。
ただし、生成される動画は、長さ 8 秒、解像度 720p、フレームレート 24fps、アスペクト比は横長の 16:9 であることに注意してください。また、1 日あたりの利用制限もあるため、機能の詳細と制限については Vids ヘルプセンターをご確認ください。
利用開始にあたって、Vids はデフォルトでオンになっているため、管理者が特に無効にしていない限り、エンドユーザーは特別な設定なくこの機能を利用できます
現在、即時リリースおよび計画的リリースドメインに向けて 2025 年 5 月 6 日から最大 15 日かけて段階的に展開されています。次のような Google Workspace ユーザーが利用可能です。
- Business Starter**、Standard、Plus
- Enterprise Starter**、Standard、Plus
- Essentials、Enterprise Essentials、Enterprise Essentials Plus
- Nonprofits**
- Gemini Business*、Gemini Enterprise*、Gemini Education、または Gemini Education Premium アドオン
* 2025 年 1 月 15 日をもって、Gemini Business および Gemini Enterprise アドオンの新規販売は終了
** 期間限定で、少なくとも 2026 年 5 月 31 日まで、Business Starter、Enterprise Starter、および Nonprofit アカウントで Vids の生成 AI 機能にアクセスできます。
まとめ
今回の Google Vids のアップデートは、単に動画生成の手間を減らすだけでなく、専門的な知識や高価な機材がないユーザーでも、質の高い動画コンテンツを作成できる可能性を大きく広げるものです。
特に、教育現場や小規模ビジネスにおける情報発信、社内トレーニング資料の作成など、これまで動画制作に踏み切れなかった層にとって、大きなメリットになります。あとは、撮り直しがきかないものや、取り直すまでに時間がかかるもの、イメージ通りの絵が撮れない場合などにも有用です。
なにより、クラウドベースの Google Vids 経由なので、Chromebook でも手軽に動画制作ができるという点は非常に強みです。Chromebook を業務利用している営業やマーケター、テクニカルライターなど資料作成などで動画制作をする機会のあるユーザーには便利ですね。
ただし、現時点では AI 機能が英語のみの対応となっているため、日本ユーザーにとってはプロンプト作成のハードルがやや高いかもしれません。今後の多言語対応に期待したいところです。また、生成される動画の長さや解像度に制限がある点も、用途によってはネックになりますので、注意してください。