One UI 8 は「セキュリティフォルダ」のセキュリティの欠陥を修正する可能性が報告

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Samsung が開発中の Android 15 ベース One UI 8 で、「セキュリティフォルダ」の重大な脆弱性が修正される可能性が出てきました。Android 15 のプライベートスペース API を採用することで、この問題の解決が期待されています。

また、今後のアップデートでは、セキュリティフォルダ内のアプリは非表示時に動作したり通知を送信したりしなくなり、別の欠陥も修正されます。

目次

Samsung のセキュリティフォルダとは?

Samsungの「セキュリティフォルダ」は、他人に見られたくないアプリやファイルを隠しておくための機能です。しかし、この機能の仕組みには、情報が漏れてしまう可能性がある問題点が存在します。

具体的には、安全なフォルダは、仕事用の情報と個人の情報を分けるAndroidの「ワークプロファイル」という仕組みを利用しています。これにより、隠したいデータは一見安全に隔離されているように見えます。ところが、スマートフォンの写真を選んだり(フォトピッカー)、アプリが何をして良いかを管理したりする(権限操作)といった、Android システムのいくつかの機能は、このワークプロファイルの中身を見ることができてしまいます。

その結果、特定の操作をした際に、本来隠しておきたいはずのアプリや写真の情報が、意図せず外部に表示されてしまうことがあります。

Samsung はこの欠陥を公には認めていなかったため、同社が修正に取り組んでいるかどうかは誰にもわかりませんでした。しかし、新しいリーク情報によると、Samsung は One UI 8 で安全なフォルダの問題を修正する可能性があることが示唆されています。

なぜ他の人から見られる心配があるのか

Samsung はセキュリティフォルダ用にワークプロファイルを作成しますが、これはデフォルトの個人プロファイルとは別のプロファイルです。データはコンテナ化されていますが、Android のフォトピッカーや権限コントローラーなどの特定のコンポーネントは、このワークプロファイル内のコンテンツを見ることができ、特定の状況でそれを公開してしまいます。

Google には、Android 15 でプライベートスペースとして導入された独自のセキュアフォルダのバージョンがあります。これは別の「プライベート」ユーザープロファイルであり、Android のフォトピッカーや権限操作は異なる方法で処理します。このプライベートプロファイルがロックされると、Android のフォトピッカー、権限コントローラー、およびその他のシステムサーフェスから非表示になります。

One UI 8 での変更点

今回の変更点について、X の DevOfIpos 氏によると、One UI 8 のセキュリティフォルダはワークプロファイルの代わりにプライベートスペース API を使用しているため、Google のプライベートスペースと同様の仕組みで処理されるようになります。

以下は共有されている、実際の One UI 8 におけるセキュリティフォルダのセットアップ画面のスクリーンショットです。

One UI 8 のセキュリティフォルダ設定画面とされる画像
One UI 8 のセキュリティフォルダ設定画面とされる画像

つまり、セキュリティフォルダ内のアプリは、非表示になっている間は機能せず、通知も送信しません。これにより、セキュリティフォルダ内に保存されているコンテンツにアクセスする際にはひと手間増えますが、非表示のアプリが通知を送信したり、保存されているメディアが意図せず表示されるといったこともなくなります。

もともと、Samsung のセキュリティフォルダ機能は One UI に組み込まれていたため、安全性を考慮するユーザーにとって、Galaxy デバイスは有力な選択肢の 1 つでした。しかし、欠陥が発見されたことで、その信頼性が揺らぎ、セキュリティフォルダ本来の価値が十分に発揮できていない状況でした。

今回、One UI 8 でこの問題が Android 15 のプライベートスペース API を採用することで根本的に改善されるのであれば、情報漏洩のリスクが低減されることで、プライバシーを重視する個人ユーザーはもちろんのこと、機密性の高い情報を扱う可能性があるビジネスユーザーにとっても、Galaxy デバイスが再び安心して利用できる選択肢となります。

ただし、注意点として、現状のセキュリティフォルダは、企業などがデバイスを管理する際に利用する「仕事用プロファイル」が設定されている環境では、併用できないケースがあります。そのため、今回の改善による恩恵は、現時点では主に個人ユーザーにとって大きいと言えるかもしれません。

今後の展開

現時点では、One UI 8 の最初のベータ版が早ければ 6 月にも登場し、安定版も 8 月または 9 月にリリースされる可能性が示唆されています。

今回の情報も One UI 8 の初期ビルドに含まれていた内容から明らかにされているため、Samsung がベータ版ないし安定版で、セキュリティフォルダの問題の修正を行う可能性は高いと考えられます。

出典: Android Authority

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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