Google は Android 向け Chrome ブラウザの最新バージョンとなる Chrome 136 を広く展開し始めています。
今回のアップデートではいくつかの視覚的な調整が行われ、特にブラウザの一部の UI 要素でダイナミックカラーが削除された点が注目されています。
ちなみに、ダイナミックカラー(Dynamic Color)とは、Android 12 で導入された Material You デザインの一部で、スマートフォンの壁紙の色を抽出し、その色を基にしたカラーパレットを生成して、対応するアプリやシステム UI 全体の配色を自動的に調整する機能です。これにより、デバイスの色合いが統一感のある見た目になります。
ダイナミックカラーの削除とその影響
この調整については 9to5Google が報告しており、今回の変更で最も顕著なのは、ダークモードを使用している場合です。Chrome 136 では、従来は壁紙の色に合わせてわずかに色付けされていたオーバーフローメニュー(設定などを表示するメニュー)が、単なるグレー表示に変更されました。

同様の変更はタブスイッチャー画面でも確認できます。現在表示しているページのタブカードのデザインは変更されていませんが、それ以外の背景部分はグレーで表示されるようになりました。

ライトテーマにおいても、タブスイッチャーなど一部の UI でダイナミックカラーが削除されていますが、全ての箇所で削除されたわけではありません。
その他の視覚的な変更
Chrome 136 では、タブスイッチャーに表示される各タブカードの角のデザインも変更されました。以前のバージョンと比較して、角がより丸みを帯びたデザインになっています。今後リリースされるバージョンでは、オーバーフローメニューなど、さらに多くの要素で同様のデザイン変更が適用される可能性があります。
まとめ
全体的に見れば、今回のダイナミックカラーの削除は比較的小さな変更であり、最初に気づいた後にはすぐに慣れてしまう程度のものかもしれません。
そのため、一部ではバグの可能性も指摘されていますが、現在配信されている Chrome Beta 版や Dev 版でも同様の変更が維持されていることから、Google が意図的に行った変更である可能性が高いと考えられます。
Google のダイナミックカラーは統一感をもたらす一方で、好みでない色合いになってしまったり、かえって見づらくなってしまうこともあります。そのため、今回のようにある意味「デフォルト」のカラーに戻ることは、ユーザーによっては良い変更となるかもしれません。
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出典: 9to5Google