MediaTek の次期フラッグシップ SoC となる可能性のある「Dimensity 9500」について、新たな詳細スペックに関する情報がリークされました。
この情報は、著名なリーカーである Digital Chat Station (DCS) 氏によって Weibo 上で共有されたものです。Dimensity 9400 / 9400+ の後継とされるこのチップは、現行よりもさらにパフォーマンスを引き上げる可能性があります。
今回のリークで明らかになった Dimensity 9500 の詳細
最新のリーク情報によると、Dimensity 9500 は以下の特長を持つとされています。
- CPU: 新コア Cortex-X930 (Travis) ×1 + Cortex-X930 (Alto) ×3 + Cortex-A730 (Gelas) ×4 という構成が噂されています。これは、以前リークされた新しい CPU アーキテクチャの情報を裏付けるものであり、Dimensity 9400+ (Cortex-X925 + X4 + A720) からの着実な進化を示唆します。
- GPU: Immortalis-Drage と呼ばれる新しい GPU が搭載される見込みです。改善されたレイトレーシング性能と低消費電力化により、よりリアルで快適なゲーミング体験が期待できます。
- キャッシュ: 16MB L3 + 10MB SLC という構成は、Dimensity 9400+ の 12MB L3 から強化されており、CPU 性能の向上に寄与すると考えられます。
- メモリ・ストレージ: LPDDR5x (10,667Mbps) と最新の UFS 4.1 (4-Lane) に対応。特に UFS 4.1 は、アプリの起動速度や大容量データの読み書き速度をさらに向上させ、スマートフォンの応答性を高める重要な要素です。
- AI 性能: NPU 9.0 を搭載し、100 TOPS という高い AI 処理能力を持つとされています。これにより、オンデバイスでの高度な画像処理、リアルタイム翻訳、AI アシスタント機能などが、より高速かつ効率的に動作することが期待されます。
- 製造プロセス: TSMC の 3nm プロセス「N3P」 を採用する見込みです。プロセス微細化は、性能向上と消費電力削減(バッテリー持ちの向上)に直結するため、大きな注目点となります。

今回のリークされた情報のうち、特に AI 性能の大幅な向上 (100 TOPS) は、スマートフォン単体で実行できる AI 機能の幅を広げる可能性があります。
また、UFS 4.1 の採用は、高画質動画の編集やリッチなゲームコンテンツの読み込みなど、データアクセス速度が重要となる場面で大きなメリットがあると予想されます。
さらに最新の N3P プロセスを採用することで、これらの高性能化を支えつつ、バッテリー持続時間への影響を抑えることも期待できます。
まとめ
過去の Dimensity チップの発表スケジュールを踏まえ、Dimensity 9500 は 2025 年 10 月頃に正式発表されるのではないかと DCS 氏は予想しています。
搭載端末としては、以前から噂のある OPPO Find X9 Ultra が、この Dimensity 9500 と 200MP のペリスコープレンズを搭載する最初のモデルの一つになる可能性が示唆されています。
ただし、これらの情報は現時点では公式発表ではなく、あくまでリーク情報に基づいたものです。実際の製品のスペックやリリース時期は異なる可能性があるため、今回の情報は参考程度にとどめておいてください。
なお、先ほどライバルとなる Qualcomm Snapdragon 8 Elite 2(仮称)に関する新情報があり、従来よりも前倒しで 9 月に発表される可能性が示唆されました。今年もフラッグシップチップの競争が激化すると思われますが、一方でコストに関する懸念もあります。
MediaTek は Qualcomm と近い性能を備えつつ、コストは少し控えめになる傾向があるため、今後登場する Dimensity 9500 も同様の立ち位置を維持してくれることに期待です。