Google Workspace は、組織のセキュリティを強化するための新機能として、ドメイン外ファイルの警告機能の一般提供を開始しました。この機能は、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドにおいて、ファイルが組織外のユーザーによって所有されている、または組織外のユーザーから共有されている場合に、ユーザーに注意を促すものです。
機能の詳細
この機能が有効になっていると、対象となるファイルを開いた際に、ファイル名の上部などに「External」(外部)という黄色のバッジが表示されます。

このバッジは、Google チャットなどで外部のユーザーが含まれる場合に表示されるものと同じデザインです。
さらに、ファイルが外部で所有されている場合には、詳細情報を示すポップアップが表示され、必要に応じて不正利用を報告するオプションも提供されます。
これにより、ユーザーはファイルを開く前に、それが組織外から来たものであることを認識でき、フィッシング詐欺などの潜在的なリスクを特定し、回避するのに役立ちます。また、外部から共有されているドキュメントかどうかを一目で判断できるようになるため、誤操作のリスクを減らすことが期待できます。
ただし、この警告バッジには次のような注意点があります。
- ファイルが内部の Google グループと共有されている場合、たとえそのグループに外部メンバーが含まれていても、警告バッジは表示されません。
- ファイルがサービスアカウントと共有されている場合、そのサービスアカウントが組織内部のものであっても、警告バッジが表示されます。サービスアカウントはユーザーではなく、アプリケーションや Compute Engine インスタンスなどのコンピューティング ワークロードで使用される特別なアカウントです。
設定と展開スケジュール
管理者向けの設定では、この機能はデフォルトで有効になっていますが、管理者は Google Workspace の管理コンソールから、ドメイン全体または組織部門単位で無効に設定することも可能です。管理者向けの設定は、2025 年 4 月 28 日から数日間かけて順次展開されています。

なお、この設定は管理コンソールの [アプリ] > [Google Workspace] > [ドライブとドキュメント] > [共有設定] のセクションに追加されます。
エンドユーザーは、管理者が設定を変更しない限り、この機能はデフォルトで有効になります。エンドユーザー側で個別に設定を変更することはできません。エンドユーザーへの機能表示は、2025 年 5 月 5 日から始まり、約 1 週間かけて完了する予定です。
この機能は、すべての Google Workspace および Cloud Identity のユーザーが利用できます。
記事執筆時点(2025 年 4 月 29 日)では、筆者の管理する Google Workspace アカウントの管理コンソールには設定項目がまだ表示されていませんでした。