Google Pixel デバイスや One UI 7 で動作する Samsung Galaxy デバイスに既に導入されているセキュリティ機能「ID チェック」に関して、次期 OS 「Android 16」では多くのスマートフォンに導入される可能性が報告されました。
「ID チェック」は、重要なアカウントとデバイス設定の保護を強化する機能で、有効になっていると、信頼できる場所の外でデバイス上の特定の情報にアクセスする際に、生体認証が必要になります。これにより、デバイスが盗難に遭い PIN コードが知られていても、信頼できる場所の外では常に生体認証が要求されるため、不正アクセスを防ぐことができます。
- 現在、セキュリティ機能の「ID チェック」は一部デバイスに限定
- 信頼できる場所以外にいると、機密性の高い設定の変更時に生体認証の使用が強制される
- Android 16 では多くのデバイスに標準機能となる可能性が明らかに
- すでに Android 16 Beta で動作する一部デバイスで利用できることが確認
「ID チェック」とは?
「ID チェック」は、Google が昨年 12 月に多くの Pixel デバイスに導入した「盗難保護」機能の1つです。 Google の公式ヘルプページによれば、「ID チェック」はスマートフォンのメインのロック解除方法(PIN、パターン、パスワード)が悪意のある第三者に知られてしまった場合でも、信頼できる場所以外で Google アカウントに変更を加えるときに本人確認が行われます。
例えば、以下のような設定を変更するときには、追加のステップとして生体認証が必要になります。
- Google パスワード マネージャーで保存したパスワードとパスキーにアクセスする。
- Chrome 以外のアプリで、Google パスワード マネージャーからパスワードを自動入力する。
- PIN、パターン、パスワードなどの画面ロックを変更する。
- 指紋認証や顔認証などの生体認証データを変更する。
- 出荷時の設定にリセットする。
- 「デバイスを探す」をオフにする。
- 盗難保護機能のいずれかをオフにする。
- 信頼できる場所を表示する。
- ID チェックをオフにする。
- 現在のデバイスを使用して新しいデバイスをセットアップする。
- Google アカウントを追加または削除する。
- 開発者向けオプションにアクセスする。
ただし、自宅や職場などユーザーが追加している「信頼できる場所」で操作している場合には、追加の生体認証は要求されません。そのため、「ID チェック」を設定する際には「信頼できる場所」の追加が必要となり、何らかの理由で生体認証が使えなくなった場合のために、デバイスの復元に使用する要素(電話番号など)も追加・変更できます。

一方で、プライベート スペース、マルチユーザー モード、アプリでの支払いの自動入力、Chrome でのパスワードや支払いの自動入力には、PIN、パターン、パスワードを引き続き使用できます。
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Android 16 での標準化の可能性
今回、Android Authority などが報じているように、これまで Google Pixel や One UI 7 以降で動作する Samsung Galaxy デバイスで提供されてきた「ID チェック」機能が、Android 16 では OS の標準機能となり、より多くのメーカーの Android スマートフォンでも利用できるようになる可能性が示唆されました。
また、Android Headlines は Android 16 Beta を実行している OnePlus 13 で利用できることを確認しており、このセキュリティ機能は一部のメーカーだけでなく、Android 16 を搭載する幅広いデバイスに導入される可能性が高いことを示しています。
今後の展開について
「ID チェック」をはじめとした、Android デバイスの「盗難保護」機能はスートフォンにとって非常に重要なセキュリティ機能です。これが Android 16 で標準化・強化されれば、より多くのユーザーがパスコード漏洩のリスクから保護されることになります。
ただし、現時点では Android 16 はベータプログラムであり、機能を利用できるデバイスや最終的な仕様については変更される可能性もあります。
また、「ID チェック」自体が「クラス 3 の生体認証に対応しているデバイス」にのみ搭載され、「盗難保護」の設定ページに [ID チェック] が表示されない場合、そのデバイスで「ID チェック」を利用できないとされていることから、すべての Android スマートフォンで利用できるわけではない可能性が高いことに注意してください。
今後の Google I/O などでの Android 16 に関する正式発表で、この機能の詳細が明らかになることが期待されます。