昨年、Google フォトに導入された AI を活用した動画編集ツールの1つであるプリセットの「トラッキング」において、ユーザーが追跡する対象を手動で選択できるようになる可能性が示唆されました。
この情報は Android Authority が報じているもので、最新の Google フォトアプリの APK 解析をしたところ、「トラッキング」プリセットに新たな変更が加えられており、モーショントラッキング効果を適用する被写体を選択できるようになっていることを発見しています。
現状の「トラッキング」プリセットと課題
Google フォトの動画編集には、AI を活用した複数のプリセットが用意されています。「トラッキング」プリセットは、その中の一つで、動画内の主な被写体を AI が自動的に認識し、その被写体がフレームの中心付近に留まるよう、映像を自動で調整(モーショントラッキング)する機能です。
この機能は、動きのある被写体の撮影時に有用ですが、フレーム内に複数の被写体が存在する場合、AI がユーザーの意図しない対象を選択してしまうケースがありました。現状では、AI による自動選択のみに対応しており、ユーザーが追跡対象を指定する手段はありませんでした。
今後の新機能の詳細
Android Authority が Googleフォトの最新版(バージョン 7.24.0.744869131)のAPKファイルを解析したところ、「トラッキング」プリセットの機能拡張を示唆するコードが発見されました。また、実際にインターフェース部分の機能を有効にできたとして、スクリーンショットも共有しています。

これによると、プリセット適用後に「別の被写体をトラック (Track another subject)」というボタンがインターフェース上に追加されます。ユーザーはこのボタンをタップし、画面上で追跡したい被写体を円などで囲むことにより、手動で指定できるようになります。
手動で選択後、Google フォトは指定された被写体に基づいてモーショントラッキングを再実行するため、よりユーザーの意図に合う結果を提供するものと思われます。
今後の展開と注意点
今回の情報は APK 解析に基づくものであり、現時点で Google から本機能に関する正式な発表はありません。そのため、この機能が実装されるか、またその時期については不明です。開発段階で仕様が変更されたり、実装が見送られたりする可能性もあります。
とはいえ、すでに一部が機能していることから、リリースされる可能性は高いと考えられます。