MediaTekは本日、ミッドレンジスマートフォン向けの最新チップセット「Dimensity 7400」および「Dimensity 7400X」を発表しました。また、すでに投入されている「Dimensity 6400」に関する詳細も明らかにしています。
それぞれ、昨年発表された Dimensity 7300 と Dimensity 6300 チップセットの後継となり、ゲーミング性能、接続性、AI処理能力などが向上しています。
Dimensity 7400 / 7400X
Dimensity 7400 は、TSMC の 4nm プロセスで製造され、最大 2.6GHz で動作する4つの Arm Cortex-A78 コアと、最大 2.0GHz の4つの Arm Cortex-A55 コアを搭載しています。また、Arm Mali-G615 MC2 GPU を備えており、競合チップセットと比較してゲーム時の消費電力を 14% から 36% 削減しています。
さらに、MediaTek Advanced Gaming Technology (MAGT) 3.0 をサポートし、グラフィックス性能の向上や AI によるゲーム設定の最適化、入力遅延の低減、電力効率の改善を実現したとしています。AI アプリケーションの性能向上のため、MediaTek の第6世代 NPU を統合し、前世代の Dimensity 7300 と比較して15%の性能向上を達成したと述べています。
カメラ機能では、Imagiq 950 ISP を搭載し、最大 200MP のメインカメラをサポートしています。Google Ultra HDR にも対応しており、写真や動画のダイナミックレンジや色彩、コントラストを向上させ、SNS へのアップロード時も HDR を維持できます。
ネットワーク接続性においては、5G R16 モデムを内蔵し、3CC キャリアアグリゲーション(3CC-CA)をサポートし、20%の電力削減となっています。また、トライバンド Wi-Fi 6E にも対応しました。
なお、Dimensity 7400X は、折りたたみ式スマートフォン向けのチップセットとなり、デュアルディスプレイのサポートが追加されています。
Dimensity 6400
Dimensity 6400 は、TSMC の 6nm プロセスで製造され、最大 2.5GHz で動作する2つの Arm Cortex-A76 コアと、最大 2.0GHz の6つの Arm Cortex-A55 コアを搭載します。Arm Mali-G57 MC2 GPUを備えており、競合チップセットと比較してゲーム時の消費電力を最大 19% 削減しています。
このチップセットは、MediaTek Bluetooth Wi-Fi HyperCoex 技術を搭載し、ゲーム時のレイテンシを最大 90% 削減して、よりスムーズなゲーム体験を提供します。また、Sub-6 5Gモデムを内蔵し、2CCキャリアアグリゲーションに対応しています。これにより、ダウンリンク速度が競合製品と比較して最大 33%、アップリンク速度が最大 18% 向上しています。
ディスプレイ面では、10ビットの画像や動画、AMOLED HDR や最大 120Hz リフレッシュレートの FHD+ 解像度をサポートしています。カメラ機能では、最大 108MP のセンサーをサポートし、MediaTek と Arcsoft のマルチフレームノイズリダクション(MFNR)やローパスノイズリダクション(LPNR)技術で、より鮮明なポートレート撮影などが可能です。
Dimensity 7300 搭載スマートフォンのリリース時期
MediaTekによれば、Dimensity 7400 および 7400X を搭載したスマートフォンは。2025年第1四半期に発売される予定であるとしています。
一方、Dimensity 6400 は既に市場に投入されており、現状では「realme P3x 5G」がこのチップセットを搭載しています。
MediaTek の Dimensity 7400 および 7400X に関するプレスリリースはこちら。