Google は今年に入ってから Jetpack ライブラリの Camera X のアップデートによって Ultra HDR 画像の撮影をサポートすることを発表しており、今年4月のバージョン 1.4.0-alpha05 のリリースで Ultra HDR の最初のサポートが追加されていることが報告されました。
ウルトラ HDR (Ultra HDR) は、Google が作成して Android 14から導入された画像形式で、一般的な JPEG 形式に基づいているため、ほぼ全てのデバイスで表示することができます。画像の SDR バージョンと HDR バージョンの両方を同じファイルに保存できるようになり、HDR ディスプレイを搭載したデバイスで表示すると HDR 画像が表示されるようになります。
Android Authority によれば、現在はこの Ultra HDR での撮影をサポートしているのは Android Camera2 API を使用するカメラアプリのみとなっていて、いくつかのスマートフォンが Android 14 以降に Ultra HDR 写真の撮影ができるようになっています。
しかし、カメラが組み込まれた多くのサードパーティアプリは Jetpack CameraX を使用しているため Ultra HDR での写真を撮影することができません。どちらを選ぶかは開発者次第ですが、新しい機能は最初に Camera2 向けに開発されるため、CameraX を使用している開発者は Google が機能を導入するまで待つ必要があります。
これがアルファ版でのサポートが確認されたことで、Jetpack CameraX ライブラリを使用するサードパーティ アプリもライブラリのバージョン 1.4.0 がリリースされれば、すぐに Ultra HDR 形式で画像を保存できるようになる可能性があるようです。
これにより古いデバイスやアプリでは通常の JPEG としてシームレス表示され、形式をサポートするようになったアプリやデバイスでは HDR 画像として表示されるようになります。しかし、現時点では Ultra HDR をサポートするアプリは多くなく、Android とデスクトップで完全にサポートしているのは Google Chrome だけのようです。
CameraX は JPEG/R 画像形式を使用してウルトラ HDR 圧縮画像をキャプチャします。この形式は SDR JPEG 形式との下位互換性があり、コンテンツの HDR レンダリングをサポートしています。つまり、古いアプリやデバイスでは、画像は通常の JPEG としてシームレスに表示されます。この形式に完全に対応するように更新されたアプリやデバイスでは、画像は HDR として表示されます
Camera X
なお、Ultra HDR をサポートするデバイスもスマートフォンなら一部のフラッグシップに限られ、例えば Samsung Galaxy S24 シリーズ、Google Pixel 7 シリーズ以降の Pixel デバイス、OnePlus 12 と Open などがあります。Windows PC も HDR サポートのディスプレイを備えていれば表示することができます。