以前、Pixel 10 シリーズで旧式の Qi ワイヤレス充電器を使用すると、最大出力が 5W に制限されてしまう問題についてお伝えしていますが、これは新しいワイヤレス充電規格である「Qi2」対応充電器を使用することで解消されます。
しかし、Android Authority による詳細な検証の結果、Pixel 10 シリーズの Qi2 充電は発熱の影響により、スペックどおりの充電にならないことが確認されています。
25W 充電は数分しか維持されない
検証では、Google 純正の Qi2 対応充電器「Pixelsnap Charger」(25W 対応)を使用して Pixel 10 Pro XL の充電テストが行われました。 なお、Pixel 10 Pro XL のみ最大 25W のワイヤレス充電に対応しています。
理論上、25W のワイヤレス充電は有線充電に近い速度が期待されますが、実際の結果は以下のようになっています。
- USB-C (35W 程度):満充電まで約 77 分
- Qi2 (25W):満充電まで約 135 分
グラフデータによると、充電開始直後の数分間は 25W に近い出力が出ていますが、急速な温度上昇に伴い、すぐに 10W 前後まで出力が制限されています。
その後は充電完了までほぼ 10W 程度で推移するため、結果として 15W 規格の Qi2 充電器を使用した場合と充電時間に大きな差は生じないことがわかりました。

以前の記事でお伝えした通り、旧式の Qi 充電器では 5W に制限されるため Qi2 充電器への買い替えは必須ですが、現時点では高価な 25W 対応モデルを選んでも、費用対効果は薄い可能性があります。
Pixel 9 + Pixel Stand 2 の方が高速かつ低温
また、前モデルである Pixel 9 Pro XL と Pixel Stand (第2世代) の組み合わせと比較した場合、Pixel 10 の Qi2 充電の方が時間がかかるという結果も示されています。
- Pixel 9 Pro XL (Pixel Stand 2):満充電まで 101 分
- Pixel 10 Pro XL (Qi2 25W):満充電まで 135 分
Pixel Stand (第2世代) は冷却ファンを搭載しており、発熱を抑えながら高出力を維持できていました。
一方、現在の多くの Qi2 充電器はファンレス構造であり、Pixel 10 シリーズの発熱を十分に逃がすことができず、サーマルスロットリング(熱による速度制限)が頻発していると考えられます。
モバイルバッテリー利用時の変換ロス
さらに、Qi2 対応のモバイルバッテリーを使用する場合の実効容量についても検証されています。
ワイヤレス充電は有線充電に比べてエネルギーの変換ロスや熱損失が大きくなります。検証によると、10,000mAh の Qi2 対応モバイルバッテリーを使用しても、Pixel 10 Pro XL(約 5,000m Ah)を 1 回満充電できるかどうか、という結果でした。
つまり、5,000mAh クラスの薄型モバイルバッテリーでは、50% 程度の充電しか行えないことになります。外出先で確実に充電を行いたい場合は、ワイヤレスではなく USB-C ケーブルを使用した有線充電を利用する方が確実です。
まとめ
今回の検証結果を踏まえると、Pixel 10 シリーズで快適なワイヤレス充電を行うためには、以前お伝えしたように旧式の Qi 充電器ではなく Qi2 対応の製品を選ぶことが必須となります。
ただし、期待されていた 25W 対応の Pixel 10 Pro XL であっても熱による速度制限がかかるため、現時点では高価な 25W モデルにこだわる必要はなく、コストパフォーマンスに優れた 15W モデルで十分と言えます。
将来的には冷却ファンを搭載した Qi2 充電器などが登場することで 25W の性能をフルに活かせる可能性がありますが、現状では 15W の Qi2 充電器を選ぶのが最も賢明な選択肢となりそうです。
なお、筆者は Pixel 10 Pro / Pixel 10 Pro Fold を使用しており、これらのモデルでも Qi2 充電中はかなりの発熱があることは確認しています。


