最近リリースされた Chrome のアップデートを適用した後、Windows や Mac で Chrome ブラウザが起動しない、あるいはフリーズして使用できなくなるといった問題が複数のユーザーから報告されていることがわかりました。
この問題は、Google によって「既知の問題」として認識されており、現在修正に向けた対応が進められている可能性があります。
報告されている問題の概要
Reddit や Google のヘルプコミュニティには、ここ 1 週間ほどの間にこの問題に関する投稿が急増しています。報告によると、問題は Chrome の最新バージョン 138.0.7204.101 に関連している可能性が高いと見られています。
ユーザーから報告されている主な症状は以下の通りです。
- Chrome のアイコンをクリックしても反応がなく、エラーメッセージも表示されない
- タスクマネージャーやアクティビティモニタ上ではプロセスが実行されているが、ウィンドウは表示されない
- ブラウザが一瞬起動するものの、すぐにフリーズまたはクラッシュしてしまう
特に Windows ユーザーからは「起動しない」という報告が多く、Mac ユーザーからは「起動はするがフリーズして操作不能になる」という報告が中心となっていますが、発生する問題は環境によって異なるようです。
Google からのコメント
Google の公式ヘルプコミュニティでは、日本時間で 2025 年 7 月上旬にプロダクトエキスパートがこの問題を「既知の問題」であると認めました。このスレッドはコミュニティマネージャーによるレビューの対象に追加されており、Google 側が問題を認識し、調査を進めていることが示唆されます。

なお、今回の原因とは限りませんが、過去に同様の問題が発生した際はアンチウイルスソフトが影響していたケースもありました。
現在報告されている回避策
公式な修正パッチはまだリリースされていませんが、ユーザーによっていくつかの回避策が報告されています。根本的な解決にはなりませんが、一時的にブラウザを使えるようになる可能性があります。
Windows で「管理者として実行」を無効にする
Windows ユーザーからは、以下の手順で問題が解決したとの報告があります。
- Chrome のショートカットアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「互換性」タブを開きます。
- 「管理者としてこのプログラムを実行する」のチェックを外し、「適用」をクリックします。
グラフィックアクセラレーションを無効にする
もし Chrome の設定画面を開ける場合は、グラフィックアクセラレーションを無効にすることでフリーズが改善したという報告もあります。
- Chrome の設定を開き、左側のメニューから「システム」を選択します。
- 「グラフィックス アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」のトグルをオフにします。
ただし、この設定を無効にすると、動画の再生がカクカクになるなどの別の問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
Chrome の最新アップデート後に発生している起動・フリーズ問題は、Google が認識している「既知の問題」であり、現状では Google からの修正を待つしかありません。
いくつかの回避策によって一時的に改善する可能性はありますが、影響を受けているユーザーは Google からの正式なアップデートがリリースされるまでは、必要に応じて Firefox や Microsoft Edge といった代替ブラウザを利用することも検討したほうがいいかもしれません。