Google は現在、様々な Chromebook の開発に取り組んでいますが、今回 Chromium Gerrit の最新のコミットから、Qualcomm の次世代 SoC 「Calypso」 と、それを搭載する新しい Chromebook のリファレンスボード 「Mensa」 の存在が明らかになりました。
ハイエンドな ARM 搭載 Chromebook としては、すでに Kompanio Ultra 910 を搭載したモデルが存在し、同じく Snapdragon X を搭載する 「Bluey」 系列の開発が進められていることが確認されています。
今回発見された 「Mensa」 のコードからは、デスクトップクラスの性能と次世代 OS プラットフォームへの統合を見据えた新たな展開が示されています。
Snapdragon X Plus をベースにした次世代 SoC 「Calypso」
Chrome Unboxed が発見した Chromium Gerrit のコミット情報によると、「Calypso」 と名付けられた新しい SoC の初期コードが追加されています。
この Calypso は、Windows PC 市場向けに展開されている Qualcomm のアーキテクチャ 「Snapdragon X Plus (型番: X1P42100)」 のコードベースを流用・派生させたものです。

Snapdragon X Plus X1P-42-100 は、X Plus シリーズとしては最もベーシックなチップですが、 Chromebook としてはハイエンドの処理能力に加えて、45 TOPS の演算性能を持つ NPU が搭載されています。

今回発見された「Calypso」は、既存のチップをそのまま流用するのではなく、Chromebook 向けの新しい SoC として独立して開発が進められている点から、ChromeOS の次世代プラットフォーム(Project Aluminium)に最適化された、専用のカスタマイズが施されている可能性が高いと考えられます。
また、Calypso は多数のセンサーや通信モジュールを接続できる設計となっており、初期段階から PCIe のサポートが含まれることなどから、高速な NVMe SSD や Wi-Fi 7、5G モジュールといったハイエンドな周辺機器への対応が想定されます。
リファレンスボード 「Mensa」 のハードウェア構成
この Calypso を搭載するためのリファレンスボードとして開発が進められているのが 「Mensa」 です。

Mensa は先行する 「Bluey」 プロジェクトの設計をベースにしつつ、Calypso 向けにカスタマイズされています。
いくつかのコードを掘り下げたところ、ディスプレイの設定値が 1,920 × 1,080 (96 DPI) に設定されていることが確認でき、4K や最近採用機種が増えている WUXGA (1,920 × 1,200) ではない可能性が高いことが示されています。

また、同じコード内で SD カードスロットと USB 経由のリカバリーに対応していることも分かり、microSD カードの搭載も示唆されました。
現時点ではこれ以上の情報はまだありませんが、Google が新たに Qualcomm の Snapdragon ベースの新しい Chromebook の開発に着手し始めたことは、ほぼ確実となりました。
Project Aluminium への統合と今後の展開
Google は現在、ChromeOS の基盤を Android カーネルへと移行させる 「Project Aluminium」 を進行しています。
この OS 統合における目的の一つは、高性能な ARM プロセッサや AI 機能を活用することにあり、すでに開発が報じられているモデルに加え、Snapdragon X Plus ベースの Calypso と Mensa ボードは、この Project Aluminium の環境を想定した次世代のハードウェアになる可能性があります。
現在の開発フェーズは初期の骨組み段階であるため、実際の製品が市場に登場するまでにはまだ時間がかかるため、今後の進展に期待です。
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