これまでプライバシー保護を重視するユーザーにとって、 Google Pixel に GrapheneOS を導入することが定番の選択肢でしたが、Motorola が GrapheneOS との長期的なパートナーシップを結んだことが MWC 2026 で正式に発表されました。
すでに Pixel 以外のデバイスへの提供が予告されていましたが、この提携に関して GrapheneOS の開発チームは最近、Motorola との提携に至った経緯を明らかにし、その背景に Google のオープンソースに対する方針転換があったことを説明しています。
Google の AOSP 方針転換が与えた影響
事の発端は、 Google が Android 16 のソースコード公開時に Android Open Source Project (AOSP) から Pixel スマートフォンのデバイスツリーとドライバーバイナリを削除し、開発の基準となるターゲットを仮想デバイスの 「Cuttlefish」 へと移行したことです。
これにより、 Pixel のカーネルソースコードのコミット履歴といった重要な情報が失われ、カスタム ROM の開発者は、提供されたバイナリから毎月変更点をリバースエンジニアリングして推測しなければならず、開発の負担が大幅に増加しました。
実際、 GrapheneOS が Pixel 10 シリーズ向けの安定版ビルドをリリースするまでに長期間を要したのも、この開発環境の変化が原因だとされています。
Motorola からのアプローチと提携の経緯
GrapheneOS はこれまで、セキュリティ要件やカメラサポートなどの観点から Pixel に大きく依存していましたが、開発のハードルが高くなりすぎたことで、別の OEM パートナーを探す方針を打ち出していました。
GrapheneOS によると、 Google がソースコードの公開を制限したことが直接のきっかけとなり、 Motorola 側からアプローチを受けて今回の提携に至ったとのことです。

この提携により、 GrapheneOS を搭載した初の非 Pixel スマートフォンが開発されることになり、早ければ 2027 年にも登場すると予想されています。
今後の Pixel サポートはどうなるのか
既存の Pixel ユーザーのサポートについて、開発チームは、現在の Pixel デバイスについては引き続きサポートされ、Pixel 10a のサポートも近々提供する計画であることを明言しています。
しかし同時に、「今後の Pixel をいつまでサポートし続けられるかは分からない」という見通しも示しています。そのため、次期 Pixel 11 シリーズあたりまでのサポートは期待できますが、それ以降はどうなるかまだ分かりません。
まとめ
Google のオープンソースに対するスタンスが変わらない限り、カスタム ROM のプラットフォームとしての Pixel の魅力は徐々に失われていく可能性があります。
一方で、開発チームは Motorola との独占的なパートナーシップではなく、「他の OEM が当社の要件を満たすようにデバイスを改良した場合、当社はより多くのデバイスをサポートする権利を有します」とも述べています。
そのため、これまでは「カスタム ROM を入れるなら Pixel 一択」という状況でしたが、Motorola をはじめとして、他のスマートフォンメーカーも要件を満たすことがあれば、GrapheneOS のサポートが拡大することになるかもしれません。


