最新の Pixel 10 シリーズに搭載されているプロセッサ Tensor G5 は、パフォーマンスの向上だけでなく、電力効率や発熱問題の改善も期待されていました。
しかし、最新の Android 16 QPR2 アップデートを適用している一部の Pixel ユーザーからは、引き続きデバイスの発熱の問題に関する複数の報告が挙げられています。
今回、開発者コミュニティでは、この問題の原因がシステムファイル内の熱管理設定にある可能性を指摘しています。
温度チェックのインターバルは 5 分間
この発見を報告したユーザーによれば、Pixel 10 Pro のベンダーファイル内から熱管理設定ファイル内に VIRTUAL-SKIN-CPU-LIGHT-ODPM という項目があり、これに設定されている「ポーリング遅延(PollingDelay)」の値が 300,000ms (= 5 分間)になっていたとしています。
この設定値が正確であれば、システムは該当する温度センサーのチェックを 5 分間隔でしか行わないことになります。
高負荷なタスクを実行してCPU温度が上昇しても、次のチェックタイミングまでの最大 5 分間はシステムが温度上昇を検知できず、適切なパフォーマンス制御(サーマルスロットリング)が作動しない可能性があります。
その結果、制御が遅れることで筐体に熱が蓄積され、ユーザーが発熱を感じる要因になっていると考えられます。
非公式パッチの内容とトレードオフ
この挙動を修正するため、問題を指摘した開発者はルート化(Magisk / KernelSU)した環境向けの修正モジュールを公開しました。このモジュールはシステム設定を以下のように変更します。
- 監視間隔の短縮:300,000ms(5 分)から 5,000ms(5 秒)へ変更
- 制限温度の設定:65℃ を超えた時点で熱管理を作動させる
報告では、この変更を適用することで高負荷時の発熱が抑えられたとされています。
一方で、温度監視を 5 秒ごとに行い、かつ 65℃ という早い段階で制限をかけるということは、Google の標準設定よりも早期にプロセッサの処理速度を落とすことになります。
端末の温度は下がりますが、ゲームやベンチマークテストなどでのピークパフォーマンスを維持できる時間は短くなる可能性があります。
一部のユーザーからは、Google があえて「5 分間」という長い値を設定し、発熱を許容してでも高いパフォーマンスを長時間維持させようとした可能性が指摘されています。
まとめ
温度管理の設定が発熱に影響している可能性は十分に考えられるものですが、現時点ではこの「300,000ms」という設定値が、Google による意図的な仕様なのか、あるいは設定ミスなのかは不明です。
なお、今回発見された修正方法はデバイスのルート化が必要であり、システム挙動を強制的に変更するため、一般のユーザーが試すにはリスクがあります。
Pixel 10 Pro の発熱が気になるユーザーは、適宜フィードバックを送るなどして、公式の修正を待つほうが安心です。
出典: PiunikaWeb


