Google は公式ブログにて、2025 年 12 月に発表された AI 関連のニュースと新機能のまとめを公開しました。
12 月は振り返りの時期であると同時に、Google は実験室レベルの技術をユーザーの日常生活で役立つツールとして提供することに注力していたようです。
12 月に発表された内容には、より高速なモデル「Gemini 3 Flash」の展開や、Gemini アプリでの動画検証ツール、ブラウザの新しい実験機能「Disco」、画像生成モデル「Nano Banana Pro」などが含まれています。
Gemini 3 Flash の展開とデフォルト化
新しい「Gemini 3 Flash」がリリースされました。このモデルは従来以上の性能と高速かつ低コストで動作するモデルとして、様々な Google サービスで利用可能になりました。
Gemini アプリおよび Google 検索の「AI モード」においてデフォルトモデルとしての展開が始まっており、一般ユーザーも新しい推論能力を利用できるようになります。
Gemini アプリで動画の AI 検証が可能に
Gemini アプリに、アップロードされた動画が Google の AI を使って生成または編集されたものかどうかを判定できる新しい動画検証機能が追加されました。
ユーザーは最大 100MB または 90 秒までの動画をアップロードし、AI によって作られたものかを聞くだけで確認できます。
Gemini は「SynthID」という電子透かし技術を使用して映像と音声の両方を分析し、AI 生成要素が含まれる部分を特定します。
AI を活用した新ブラウザ「Disco」
Google Labs から AI を活用した新ブラウザ「Disco」が発表されました。
「GenTabs」という機能を備え、ユーザーが開いている大量のタブやチャット履歴を能動的に整理・統合し、カスタム Web アプリケーションのように構築します。
これにより、調べ物や旅行の計画などでタブが散乱しがちな状況を、整理されたツールへと変換することが可能になります。
音声対話と翻訳機能の強化
音声モデルもアップグレードされ、「Gemini 2.5 Flash Native Audio」が登場しました。
複雑なワークフローや自然な対話を処理できるように設計されており、スムーズな会話と高い応答性を実現しています。
AI Studio や Vertex AI、Gemini Live に加え、初めて「Search Live(検索でのライブ対話)」でも利用可能になります。
また、Google 翻訳アプリでは同モデルを使用した新しいライブ音声翻訳のベータ版がリリースされました。
70 以上の言語に対応し、元の話し手の抑揚やペースを維持したまま、イヤホン(ヘッドフォン)経由で直接翻訳を聞くことができます。
検索機能の強化と「Nano Banana Pro」
Google 検索の「AI モード」において、最上位モデルである「Gemini 3 Pro」が英語圏の約 120 か国で展開されました。
Google AI Pro および Ultra の有料プランユーザーは、複雑なトピックを可視化する機能などを利用できます。
さらに生成画像モデルとなる「Nano Banana Pro」も AI モードに導入されました。米国ではショッピング機能とも連携しており、自撮り写真をアップロードするだけで、リアルな全身のデジタルバージョンを生成し、仮想試着(バーチャル・トライオン)が可能です。
現時点で、日本語環境における検索の AI モードで「Nano Banana Pro」や「Gemini 3 Pro」をまだ使うことはできません。
開発者向け機能と 2025 年の振り返り
開発者向けには、複雑なリサーチを代行する「Gemini Deep Research」エージェントが API を通じて提供されます。
あわせて、2025年の YouTube トレンドや Google フォトの「ハイライト」機能、「2025 年の検索動向」も公開されました。
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まとめ
2025 年 12 月は、Gemini モデルの性能向上に加え、動画検証やブラウザのタブ整理といった実用的なツールの提供がありました。
一部の機能は日本語ではまだ利用できませんが、今後の展開が期待されます。
出典: Google Blog


