株式会社MM総研は 2025 年 12 月 19 日、企業や自治体などの組織利用における Windows PC と Chromebook のコストパフォーマンスおよびタイムパフォーマンスの比較調査結果を発表しました。
この調査は 2024 年 6 月および 2025 年 11 月 〜 12 月にかけて実施され、実際に導入している企業へのインタビューをもとにモデル化・試算されたものです。
運用コストは Windows の約半分と試算
調査結果によると、従業員 1,000 人規模の組織で端末を 5 年間運用した場合、Chromebook は Windows PC と比較して約 2.5 億円の費用を削減でき、総コストはおよそ半減するという試算結果が出ました。
この費用の差について同社は、端末自体の価格差に加え、クラウド活用を前提としたセキュリティ対策コストの抑制が影響しているとしています。

Windows 環境ではオンプレミスとクラウドの双方へのセキュリティ投資が必要となるケースが多い一方、Chromebook はクラウドプロキシへの対策にリソースを集中できる点が特徴です。
例えば、Windows 環境の多層防御やライセンス管理の複雑さがコスト要因として挙げられることがあり、Chromebook のシンプルなセキュリティ構造が TCO(総保有コスト)の抑制につながっていると考えられます。
管理者の作業時間を 98% 削減
時間対効果(タイムパフォーマンス)の観点では、情報システム部門が端末の運用管理にかかる作業時間を比較しています。
調査結果によると、Chromebook は Windows よりも年間で 3,000 時間以上少なく、約 98% の削減効果があるとされました(1,000 台あたり)。

この削減項目には、端末のキッティング(初期設定)や更新作業が含まれます。
Windows ではマスターイメージの作成や展開、個別対応が必要な場合がありますが、Chromebook はクラウド管理コンソールからポリシーを適用することで設定が完了します。
ユーザーのダウンタイムも減少
管理者だけでなく、端末を利用するユーザー側の業務停止時間(ダウンタイム)についても比較が行われました。ハードウェアの故障以外で発生するダウンタイムについて、Chromebook は Windows PC よりも年間 600 時間以上の削減効果があると試算されています(1,000 台あたり)。

Chromebook は OS の起動が速く、アップデートもバックグラウンドで自動的に行われ、次回起動時に適用される仕組みです。
Windows では更新プログラムの適用によって作業が中断されるケースがありますが、Chromebook ではそうした待ち時間が発生しにくい点が結果に反映されています。
まとめ
MM総研の今回の調査はモデルケースによる試算であり、すべての導入環境で同等の数値が保証されるわけではありません。しかし、コスト削減と運用管理の効率化が求められる組織において、Chromebook が選択肢の一つになり得ることを示すデータとなっています。
出典: 株式会社MM総研


