Oura は、スマートリング「Oura Ring」向けの公式アプリを全面的にリニューアルし、ストレス管理機能を強化した新デザインを発表しました。
併せて、リングデータを活用して高血圧の早期兆候を検出するための研究を進めていることも明らかにしています。
週単位でストレス傾向を把握できる「Cumulative Stress」を導入
新しい Oura アプリでは、睡眠、心拍数、体温、活動量などのバイタルデータを統合して、身体がストレスにどのように反応・回復しているかを週単位で示す「Cumulative Stress(累積ストレス)」機能が追加されます。
この機能により、短期的なストレスだけでなく、慢性的なストレスの傾向を可視化できるようになります。
アプリは「今日」、「主要データ」、「私の健康状態」の 3 つのタブ構成となり、日ごとの主要指標、バイタル情報の経時変化、長期的な健康傾向をそれぞれ確認できるようになっています。
また、バイタル数値に応じてアプリ内の色が変化する新しいビジュアルデザインも採用され、体調の変化をひと目で把握できます。
この新デザインと「Cumulative Stress」機能は、数週間以内に iOS / Android 向けに順次配信される予定です。
AI アドバイザーと連携した「私の健康状態」タブも刷新
長期的な健康データを管理できる「私の健康状態」タブでは、Oura 独自の AI モデル「Oura Advisor」に直接アクセスでき、個人のデータに基づいたアドバイスを受けられます。
また、女性向けの Cycle Insights(サイクルインサイト)も強化され、わずか 1 回の睡眠データから周期やフェーズを予測可能になるなど、トラッキング精度が大幅に向上します。
高血圧の早期兆候を検出する研究を開始
Oura は今回のアップデートに合わせて、米国で高血圧の早期検知に関する研究を開始することを発表しました。
同社は FDA(米国食品医薬品局)と協力し、Oura Ring の生体データとユーザーのアンケート(家族歴・服薬・生活習慣など)を組み合わせて、高血圧のリスクを予測するアルゴリズムを開発中です。
この研究は、米国で提供される早期アクセスプログラム「Oura Labs」内で今後数か月以内に実施される予定で、該当ユーザーには高血圧リスクの通知が提供されます。
なお、Apple Watch シリーズの一部モデルではすでに FDA 承認を得て高血圧の通知機能が搭載されており、Oura も同様の領域に踏み込むことになります。
直近の動向と今後の展開
Oura は数週間前に「Ceramic Ring 4」を発売しており、今回のアプリ刷新はハードウェアとソフトウェアの両面でユーザーの利便性を高める戦略の一環と見られます。
また、将来的な高血圧検出機能に向けた研究も開始され、スマートリングによる健康管理の可能性をさらに広げるものとなりそうです。