Google Pixel 10 シリーズでは、256GB 以上のモデルに最新規格の UFS 4.0 ストレージが採用されました。これにより、データ転送速度の大幅な向上が期待されていましたが、実際のベンチマークテストからは少し異なる結果が見えてきました。
テストによると、UFS 4.0 を搭載したモデルは UFS 3.1 を搭載した 128GB モデルよりも高速であるものの、その差はユーザーが期待したほど劇的なものではないことが確認されました。
Pixel 10 のストレージ速度を比較
Android Authority が実施したベンチマークテストにより、Pixel 10 シリーズのストレージ性能に関して、次のような 3 つのことがわかりました。

UFS 4.0 と 3.1 の差は限定的
Pixel 10 の 256GB モデル (UFS 4.0) と 128GB モデル (UFS 3.1) を比較すると、大きなファイルの読み書き(シーケンシャルアクセス)では UFS 4.0 が優位でした。しかし、その速度差は規格上のスペックから予想されるほど大きくありません。
さらに、アプリの起動や小さなファイルの読み込みといった日常的な操作に影響するランダムアクセス性能については、両モデル間で大きな差は見られませんでした。
Pixel 9 からは着実に高速化
一方で、昨年の Pixel 9 シリーズと比較すると、Pixel 10 シリーズはストレージ性能が着実に向上しています。
今年の 128GB (UFS 3.1) モデルでさえ、昨年のモデルより大きなファイルの保存やインストールが顕著に速くなっています。
どのモデルを選んでも、前世代からのアップグレードは体感できるレベルとなっています。
競合他社のハイエンドモデルには及ばず
ただし、OnePlus 13 や Galaxy S25 Ultra といった競合他社の最上位モデルと比較すると、Pixel 10 の UFS 4.0 モデルのストレージ速度は、シーケンシャル・ランダムともに及ばない結果となりました。
なぜ UFS 4.0 の効果が小さいのか?
Pixel 10 で UFS 4.0 の性能が最大限に発揮されていない理由として、いくつかの要因が考えられます。
- メモリモジュールの品質: Google が採用している UFS 4.0 チップが、競合他社のハイエンドモデルに使われているものと品質や設計が異なる可能性があります。
- Tensor G5 のボトルネック: プロセッサである Tensor G5 の UFS ホストコントローラーが、UFS 4.0 の最大速度に対応しきれていない可能性が指摘されています。
- Google の保守的な設計: Google がパフォーマンスの最大化よりも、電力効率、チップの寿命、熱管理などを優先して、意図的に速度を調整している可能性も考えられます。
まとめ
結論として、Pixel 10 シリーズの購入を検討する際、UFS 4.0 ストレージの搭載を理由に 256GB 以上のモデルを選ぶ必要性は低いと言えます。
実際の利用においては、128GB モデル (UFS 3.1) との体感速度の差はごくわずかのため、ユーザーが重視すべきはストレージの絶対的な「容量」となります。
写真撮影やゲームを頻繁に行うような使い方をするのであれば、256GB 以上のモデルを選択することをおすすめしますが、日本国内で販売されている Pixel 10 シリーズのうち、128GB ストレージがラインナップされているのは Pixel 10 のみなので、そこまで難しくはないかもしれません。
とはいえ、実際に筆者も Pixel 10 Pro の 256GB ストレージを使っていますが、読み書きに関して極端な変化を感じることはなく、むしろ Tensor G5 による安定性向上や Qi2 対応など他の要素がメリットだと感じています。