以前から、Samsung は Galaxy S26 シリーズにおいて自社製 AP の Exynos 2600 を搭載する可能性が高いと言われていましたが、最新の情報では Qualcomm 製 AP の調達コスト高騰を背景に、Exynos の採用比率が大幅に引き上げられる可能性があるようです。
Exynos への回帰を加速させるコスト問題
Samsung が Exynos への回帰を本格的に検討する最大の理由は、急騰する調達コストと言われています。同社の報告によると、2025年上半期のチップセット購入費用は前年同期比で 29.2% 増加しました。
これは、「Galaxy S25」シリーズや「Galaxy Z Fold 7」に、高価な Qualcomm 製「Snapdragon 8 Elite」を採用したことが主な原因です。
さらに、Snapdragon の製造を担う TSMC の製造コスト上昇も、Samsung の利益を圧迫しており、この状況を打開するため、自社製の Exynos が有力な選択肢として浮上しています。
Galaxy S26シリーズの具体的な搭載構成案
韓国の NEWSIS によると、Samsung は「Galaxy S26」シリーズの通常モデル「Galaxy S26 Pro」や上位モデル「Galaxy S26 Edge」に、自社開発の「Exynos 2600」を搭載する計画であるとしています。
一方で、最上位モデルである「Galaxy S26 Ultra」には、引き続き Qualcomm 製の次世代チップ「Snapdragon 8 Elite 2」が採用される見込みです。
この動きは、2025年モデルの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip 7」で Exynos 2500 を採用した流れを汲むものと見られています。
次期チップ「Exynos 2600」の性能と課題
次期「Exynos 2600」は、Samsung の最先端 2nm プロセスで製造される予定です。10コア CPU 設計によるパフォーマンスと電力効率の向上が見込まれており、コストを削減しつつも競争力のある性能の提供を目指します。
しかし、競合である TSMC の歩留まり(良品率)が 60% であるのに対し、Samsung は現在約 40% とされており、この差を埋める必要があります。また、過去のモデルで指摘された発熱の問題を克服できるかも成功の鍵を握っています。
さらに、以前 Geekbench に掲載された Exynos 2600 とされるチップのベンチマークスコアは、Qualcomm の Snapdragon 8 Elite に匹敵する性能である一方、次世代チップ Snapdragon 8 Elite 2 は Exynos 2600 を大きく上回るスコアを達成していました。
今回の情報によれば、Exynos 2600 の量産は 2025 年 11 月に予定されています。
まとめ
これまでの情報からも、Samsung は Galaxy S26 シリーズで再びフラッグシップモデルに Exynos を復活させる可能性は高まったといえます。
しかし、パフォーマンスの問題は依然として残されており、Exynos 2600 を搭載するモデルと Snapdragon 8 Elite 2 を搭載する Ultra モデルとの性能差が大きく開いてしまう可能性があります。
出典: Newsis, Gizmochina