MediaTek は、今年後半に登場する次世代のフラッグシップスマートフォンに搭載される見込みの Dimensity 9500 チップセットを開発中と報じられています。
今回、この次期チップセットに関する新たなリーク情報が登場し、特にゲーミング性能の向上に焦点を当てた、パフォーマンスと効率の大幅なアップグレードが期待されています。
GPU とレイトレーシング性能の大幅な向上が期待
著名なリーカー @UniverseIce 氏が X で投稿した内容によると、開発中の Dimensity 9500 の GPU パフォーマンスは大幅にアップグレードされ、前モデルと比較して電力効率が 40% 以上向上するとのことです。ピークパフォーマンスもトップクラスとなり、レイトレーシング性能も 40% 以上向上すると述べられています。

さらに、スマートフォンのレイトレーシングにおけるフレームレートが 100fps (1秒あたりのフレーム数) を超え、100fps 以上の環境で優れたゲーミング性能を実現する可能性があるようです。
同氏は、MediaTek が Arm の最新 GPU アーキテクチャである「Drage」の性能を完全に引き出したと評価しており、Dimensity 9500 はモバイデバイスでゲームをプレイするユーザーにとって、大きなアップグレードとなりそうです。
CPU 構成と製造プロセス
これまでの情報を含め、報告によれば、Dimensity 9500 は「オールビッグコア」構成の CPU を採用し、1つの Cortex-X930 ウルトラコア、3つの Cortex-X9 シリーズコア、そして4つの A7 シリーズコアを搭載します。これをサポートするために、16MB の L3 キャッシュと 10MB のシステムレベルキャッシュが備わるとされています。
製造プロセスには TSMC の第3世代 3nm プロセスである N3P を採用することで、前モデルよりも優れた電力効率と発熱の抑制が期待されます。
AI 性能とベンチマーク
AI 性能も向上する見込みで、GPU のコンピューティングパフォーマンスは 100 TOPS (1秒間に1兆回の演算) に達し、AI を活用したタスクの処理能力が強化されると報じられています。
Geekbench 6 の予測スコアでは、シングルコア性能で 3,900、マルチコア性能で 11,000 を超える可能性が示唆されています。これは Dimensity 9400 と比較して、それぞれ最大で 34.5% と 19.6% の性能向上に相当します。
また、以前 Geekbench で発見された OpenCL のスコアは 15,717 を獲得していました。
まとめ
Dimensity 9500 は競合となる Qualcomm の Snapdragon 8 Elite 2 に対抗して、2025 年 9 月に発表されると予想されています。最初の搭載デバイスは Vivo X300 シリーズになると言われており、その後 Oppo Find X9 シリーズが続くと見られています。
なお、以前の噂では Dimensity 9500 の価格上昇は当初の予想よりも大きくないと言われているため、高いパフォーマンス向上を果たした新型スマートフォンでも、現行モデルから大幅な値上げはないことに期待したいですね。