Google が開発者やアーリーアダプター向けに新たに開始した「Android Canary」の最初の Canary ビルドにおいて、スマートフォンのスクリーンセーバー機能に関する、利便性を大きく向上させる可能性のある新機能が複数発見されました。
Android Authority によれば、これらの変更は特にワイヤレス充電を利用する際の利便性を向上させるもので、例えばスクリーンセーバーが起動する条件をより細かく設定できるようなったり、周囲の明るさに応じて表示が変わるようになります。
充電方法やデバイスの向きで起動を制御
まず、設定画面には「while upright and charging (充電中でかつ直立している場合)」という新しいオプションが追加されました。これは、スマートフォンが充電中で、かつスタンドなどに置かれて直立している状態のときにのみ、スクリーンセーバーを起動させる設定です。
Android のソースコードによれば、「直立」とは地面に対して 90〜120 度の角度で静止している状態と定義されています。
さらに、「restrict to wireless charging (ワイヤレス充電に制限)」というトグルも追加されました。これを有効にすると、ワイヤレス充電中以外はスクリーンセーバーが起動しなくなります。
これにより、例えば PC に USB ケーブルで接続して充電している際に、意図せずスクリーンセーバーが表示されてしまうといった事態を防ぐことができます。

周囲の明るさに応じて表示が変わる「ローライトモード」
もう一つの便利な新機能として「low light mode (ローライトモード)」が追加されました。これは、周囲の光量が少ない場合に、画面を完全にオフにするか、あるいは控えめな明るさの時計を表示するかを選択できる機能です。
これまでは、夜間に暗い時計を表示させたい場合、スクリーンセーバーの種類を「時計」に固定しておく必要がありました。そのため、日中に他のスクリーンセーバー(写真など)を使いたい場合は、手動で設定を切り替える手間が発生していました。
この新しい「ローライトモード」は、Google の Pixel Tablet のように、日中はユーザーが選択したスクリーンセーバーを表示し、夜間など周囲が暗いときには自動で暗い時計を表示するという、使い分けが可能になります。

Qi2 ワイヤレス充電の普及に向けた布石か
これらのスクリーンセーバー機能の充実は、Apple の MagSafe のように磁石を利用する新しいワイヤレス充電規格「Qi2」に対応したデバイスの登場を見据えた準備ではないかと考えられます。
この機能が実際に提供されれば、スタンド型の Qi2 充電器にスマートフォンを置いた際に、自動で便利な情報(時計など)を表示するハブとして機能させる、といった使い方が想定されます。
Google は次期モデル「Pixel 10」シリーズ向けに Qi2 対応アクセサリーを発売するとも噂されており、今回の機能追加はその布石と見ることもできそうです。
まとめ
今回 Android Canary ビルドで明らかになったスクリーンセーバーの新機能は、特にスタンド型のワイヤレス充電器を利用するユーザーにとって、スマートフォンの利便性をさらに高めるものとなりそうです。
これらの機能がいつリリースされるかは分かりませんが、便利な機能になることは確かなので、早めのリリースに期待したいですね。
とはいえ、その前に Android スマートフォンでも iPhone のようにマグネットを内蔵した機種が増えることにも期待です。