Qualcomm の次期フラッグシップチップとなる「Snapdragon 8 Elite 2 (SM8850)」に関して、その性能の一端を示す新たなリーク情報が登場しました。
著名なリーカーである Digital Chat Station によれば、この新しいチップは現在テスト段階にあり、CPU のクロック周波数が 5GHz を超える可能性があるとしています。以前も同様の噂がありましたが、これが事実であれば、スマートフォンの処理性能は飛躍的に向上することになります。
5GHz は検証用のピーク周波数か
今回のリークで最も注目されているのは、SM8850 のサンプルが 5GHz ± という驚異的な周波数でテストされている点です。比較として、現行の Snapdragon 8 Elite (SM8750) の周波数は、通常版が 4.32GHz、高クロック版が 4.47GHz となっています。

ただし、Digital Chat Station は続けて、この 5GHz という数値はあくまでアーキテクチャの検証におけるピーク周波数であると示唆しています。最終的に製品として搭載される際のクロック周波数は、エネルギー効率とのバランスを考慮して調整されるため、ここまでの数値にはならない可能性も十分に考えられます。

また、別のリーカーである @Olrak29_ 氏も、Snapdragon 8 Elite 2 が最大 5.3GHz の周波数を持つとする情報を共有しており、現行 Snapdragon 8 Elite から大きく CPU パフォーマンスが向上する可能性が期待されます。

CPU・GPU ともに大幅な性能向上に期待
一方、周波数だけでなく、性能全体の大幅な向上が見込まれています。
以前リークされた Geekbench 6 のテスト結果(ただし、これは目標値である可能性も含む)では、シングルコアスコアが 4,000 以上、マルチコアスコアが 11,000 を超えると報告されています。これは、前世代の Snapdragon 8 Elite と比較して、シングルコア性能で 20% から 30%、マルチコア性能で 10% から 15% の向上を意味します。
この性能向上は、以下の技術的なアップグレードによるものと考えられます。
- 第 2 世代 Oryon コア: CPU 性能が最大で 25% 向上すると予測されています。
- Adreno 840 GPU: GPU のキャッシュが 12MB から 16MB に増量され、グラフィックス性能が 30% 向上すると期待されています。
この性能は、Apple の次期チップ「A19 Pro」と、特にマルチコア性能において競合し、上回る可能性もあり得ると予想されています。
発表は 9月の Snapdragon Summit が有力
Qualcomm はすでに今年の Snapdragon Summit の開催を 9 月 23 日から 25 日に開催することを明らかにしています。これは例年よりも早いタイミングでの開催になります。
昨年のこのイベントで、現行最上位の Snapdragon 8 Elite が発表されたことから、今年もここで Snapdragon 8 Elite 2 が発表される可能性が高いと言われています。
また、この前倒しによって、Android スマートフォンメーカーも 10 月には Snapdragon 8 Elite 2 を搭載する新しいスマートフォンを発表・発売すると見られています。
まとめ
今回リークされた情報により、Snapdragon 8 Elite 2 は性能を再び大きく引き上げる可能性を示唆しています。
とくに 5GHz を超える可能性のあるクロック周波数、CPU と GPU の大幅な性能向上は、ハイエンドスマートフォンのパフォーマンスをさらに引き上げることが期待されます。ただし、これらの情報はあくまでも現時点でのリークであり、最終的な製品仕様は変更される可能性がある点に注意が必要です。